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ホメオパシーの罪作り度合いを考える

「ホメオパシー」
この単語は、恥ずかしながら最近Twitterで話題になるまで、つゆ知らなかった。


ご存じない方のために、「ホメオパシー」とは、、、


「健康な人間に与えたら似た症状をひき起こすであろう物質をある症状を持つ患者に極く僅か与えることにより、体の抵抗力を引き出し症状を軽減するという理論およびそれにに基づく行為」(Wilipediaより)


で、様々な(毒性)物質を超希釈して砂糖で固めた「レメディー」と称する飴玉みたいなもので、治療する。


「問われる真偽 ホメオパシー療法」
http://www.asahi.com/health/feature/homeopathy.html
としてapitalが取り上げたのが契機となって、ネット上ではかなり話題となっている。


医療用の医薬品がどのような過程を経て世の中に出てくるのかを知るようになると、大概の代替療法について、非常に懐疑的な眼で見る事ができるようになるが、自分も素人だった時は、「西洋医学はおかしい。自然治癒力を高めるような全然違うアプローチ(すなわち、漢方や代替医療)に頼るべき」と考えていた時期もあった。


誤解を恐れずに言うならば、がん末期の患者さんに対する代替療法は、「必要悪」の側面があると思う。なぜなら、現代の医療では治療も延命も如何ともし難い状況の中で、それ以外の治療法に患者さんや家族が一縷の望みを託すことを、止める事が常に正しいとまでは言えないからだ。


以前のエントリー「”サメ軟骨は無効”の試験結果の先にあるもの」(http://d.hatena.ne.jp/healthsolutions/20100528/1275036176)でも書いたが、このレベルの患者さんや家族たちには「プラセボ効果」でも出るのであれば意味があるのだ。


もちろん、実際には不当に高額なものが多く、その点で道義的に如何なものかとは思っているが、それでも本当に必要な医療から遠ざけるものでなければ、まああっても仕方ないものなのかなとは思う。


しかしながら、他に明らかに有効な治療法があるにも拘わらず、それを遠ざけてしまうような代替医療というのは、やはり罪が重い。記事を読む限りでは、ホメオパシーはそうした罪作りな側面がありそうだ。


少なくとも、山口で訴訟になったようなケース(通常の分娩医療では必須投与のビタミンK2を投与せず、レメディーのみの投与を助産師が勧めたことにより、乳児が死亡)は、"guilty”だろう。


そもそも、「薄めれば薄めるほど効く」というホメオパシーのロジックが、まったくもって理解しがたい。「薄めれば薄めるほど安全」ならわかる。どう考えても、「レメディー」は「毒にも薬にもならない砂糖粒」にしか見えない。穿った見方をすれば、薄めれば薄めるほど製造原価は安くなるので、上手い事言って、そちらに誘導しようとしているとすら考えられる。


日本ホメオパシー医学協会」という団体が有るのだが、下記のHP上でapitalの親玉である朝日新聞に対して、強く反論している。
http://www.jphma.org/


彼らの主張は、通常の医療から遠ざけるような指導は一切していない、ということのようだ。


百歩譲って実際にそういった指導はしていないとしても、医師の資格を持っている人の団体でもないのに、そしてレメディーがあくまでも食品だという立場であるのに、「医学協会」を名乗るというのは、やはりいかんだろう。「医師法」に反してすらいるかもしれない。


厚生労働省も、医薬品の承認行政にエネルギーを費やすより、こういった医療と言えないようなものの医療行為について、キッチリ対応する必要があろう。少なくとも、イギリスの当局のように、「ステートメント」で立ち位置をきちんと表すことが、解決策の第一歩と考える。