1260630119**[医療への視点]事業仕分け)漢方の保険適用除外?

事業仕分けで、漢方治療薬を保険適用外にするという案が持ち出され、それに対する反発がだいぶ強まっている。署名がだいぶ集まっていること、厚生労働相(長妻大臣)も足立政務官もこの案には真っ向から反対していることもあり、おそらくこの案は没になるであろう。


僕も2つの意味で愚策だと思う。まず一点目は、漢方を保険適用外にしても目論み通り医療費が下がることはなく、むしろ上がってしまうであろうということ。患者がわざわざ高いOTCを買うであろうか?医師がそれを勧めるであろうか?おそらくNoである。医師がセカンドベストと思われる西洋医学の薬を処方することになり、それは大概の場合薬価は漢方薬より高く設定されている。


二点目は、もし「OTC化されている薬は保険適用から外す」という思想を徹底するのであれば、漢方薬以外にも保険適用から外さなければならない"西洋"薬はたくさんある。イソジン(うがい薬)しかり、ガスター(胃薬)しかり、ラミシール(水虫薬)しかり。これらに手をつけずして漢方薬だけ対象にするのはナンセンスだろう。しかも、おそらくこれらの西洋薬のマーケットの方が漢方薬のマーケットよりずっと広いはず。


事業仕分け自体は必要だし支持するが、この問題に関しては、いくらなんでも短絡的としか言いようがない。