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ガラス張りにされた国立がんセンターの治療成績

医療の変革

久しぶりに気持ちの良いニュースを見た。


「難治・再発の癌患者を受け入れ、癌難民を出さない」という日経メディカルオンラインの国立がんセンター・嘉山理事長へのインタビューである。


私が感動したのは、タイトルに見られる意気込みに対してだけではない。記事中に紹介されていた、治療成績の情報公開の取り組みが素晴らしいのだ。


例えば、国立がんセンター中央病院の治療成績、↓のリンクでご覧いただきたい。
http://www.ncc.go.jp/jp/about/disclosere/result_h.html


どの癌種も、ステージ毎に症例数・治療成績(3年生存率や5年生存率など)が一目でわかるように掲載されているのがすばらしい。


今まで、「XXがんの実力病院100」みたいな雑誌の特集がやたらと出てきていたが、手術件数にしても5年生存率にしても、本当に同じ条件で横並びで比較したものではなく、あてにならないという批判があった。(それでも、何も無いよりはましだが)


この、がんセンターの情報公開方式で行けば、ステージ別の患者数が出ているので、難しい患者さんをどの程度見ているか、そして難易度(ステージ)に応じた治療成績はどうなのか、ということがクリアに分かる。


これは、素晴らしい取り組みだ!嘉山理事長は就任後すぐに様々な改革に着手されているが、本件は特に手放しで絶賛申し上げたい。


なぜなら、こうした動きが広がっていけば、患者さんにとってどの病院を選択するべきかの貴重な指標になるし、病院自身にとっても本質的な質の改善につながっていくからだ。一定の数以上の医療機関がこのデータを公開するようになれば、データをきちんと出さない(出せない)施設に関しては、患者も敬遠する、という形になっていくだろう。


もちろん、同じステージで合っても難しい症例は取らないで簡単な症例だけ取る、みたいな「化粧」がそれでも起きうる、という批判はあるだろう。


だが、それとて解決は可能だ。難しい症例を敢えて取る病院であれば、それも合わせてオープンにすれば良い。例えば、同じステージⅣでも合併症の有無でアウトカムがかなり左右されるということであれば、合併症有りと無しのケースで分けて出せば良いのだ。


是非、がん対策推進協議会でもこの「治療アウトカムの公開」の動きに対して後押しするような議論がされ、行動計画に結びつくよう期待したい。


自らの姿を客観的に見つめられるようになった時、人は大きく進歩する。病院も然り、だ。