iPadが新しい医療を切り拓く?

iPad発売後、早速色んな方面から使用感や今後の可能性について論じられているが、医療にどのようなインパクトをもたらし得るかという点で、The Health Care Blogのエントリーに、面白い示唆が出ている。


題して、"The iPad in Healthcare: A Game Changer?"(医療におけるiPad:ゲームの変革者になるか?)
http://www.thehealthcareblog.com/the_health_care_blog/2010/04/ipad-in-healthcare-a-game-changer.html


このブログエントリーでは、iPadは「医師の教育ツール」と「医師と患者のコミュニケーションツール」の二面で大きな変革のインパクトをもたらすであろうことを指摘している。


大学の教科書代わりにiPadが使われるようになりそうなことを考えると、前者はよくわかる。特に、医療だとグラフィカルな画像や動画が手元で見れるようになるのは付加価値が高い。


また、「豊富かつグラフィックなインターフェース」「電子読書機能」「携帯性」が患者と医師との間のコミュニケーションを大きく変える可能性がこのエントリーで指摘されている。

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At bedside, a clinician has the ability to review with a patient a given treatment, say a surgical procedure, prior to the operation showing rich anatomical details (e.g., a patient’s 64 slice color enhanced 3D CAT scan), potential risks, etc. Heck, one could even show a video clip of the procedure right there on the iPad.


ベッドサイドで医師が患者に、例えば手術施行前に手術の進行がどのようになるかを人体図を見せながら説明したり、潜在的なリスクを説明したりすることができる。実際、その場でiPad上で手術のビデオを見せたりすることすら可能になる(筆者訳)

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みたいなイメージだ。


僕もこの見解には同意。


PCだと外来なら同じようなことができなくはないが、どうしても手元で一緒に見るという感じにならない。先生が操作をする際に患者を見ないでスクリーンを見るのも患者からはあまりよろしい感情を持たれない。


iPhoneなら手元で一緒に見ることは可能ではあるが、画面が小さすぎてちょっと役不足。画面が小さいと見にくいというだけでなく、有難味も薄れる。操作も一緒に見ながらやるという感じにはなかなかならない。


その点、iPadだと、「一緒に見る&触って動かす」ということができる、程良い大きさと携帯性がある。


今後、想定外のiPad使用法がどんどん出てくることも十分考えられる。いずれにせよ、このBlogにも書かれているように、"Only time will tell"ということであろう。日本の医療関係者はAppleファンが多いので、現場でどんどん新しい活用法が生まれることを期待しよう。