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がん診断後のアスピリン服用が消化器がん患者の生存期間を延長か

先回のメルマガで、「大腸がんの予防としてアスピリンの長期服薬が米国で推奨」というお話を紹介しましたが、今回もまたアスピリンの話です。 

 ■”Post diagnosis aspirin improves survival in all gastrointestinal cancers”「がん診断後のアスピリン服用が消化器がん患者の生存期間を延長」(The European CanCer Organisation (ECCO))

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オランダのFrouws医学博士らは、1998年から2011年の間の消化器がん患者14000名近くのデータを解析。

 

そのうち、30.5%ががん罹患以前からのアスピリン服用者、8.3%が罹患後のみのアスピリン服用者、61.1%が非服用者でした。

 

全体としての5年生存率は28%でしたが、性別、年齢、進行度、治療法などの条件を調整し、上記それぞれの群を比較してみたところ、、、

 

罹患後のアスピリン服用者は非服用者と比べ、生存率が「2倍」という結果が出ました。

 

今回のものは「後ろ向き」研究ですが、現在、オランダではアスピリン服用者とプラセボ服用者を比較する前向き試験が大腸がんで進行中で、さらに消化器がん全般で行なうことを考えているようです。

 

ちなみに、なぜアスピリンががんに効果があるのかについては、以下の仮説があるようです。

 

「血中循環腫瘍細胞(CTC)」と呼ばれる、原発巣から他臓器に転移する際に血中を移行するがん細胞があります。

 

このCTCは、血小板に身を包まれた形で血中を移動することで免疫システムの攻撃から逃れているのが、アスピリンにより血小板が溶かされて身が露出してしまって、免疫により排除されているのではないか、というものです。

 

現状はまだ仮説段階ですが、前述の前向き試験の結果が出てきたら、本当に効果があるかどうか決着がつくかと思います。

 

いずれにせよ、非常に安価かつそこまで副作用が厳しくない薬剤で一定の効果が期待できるのであれば、結果を待たずに試す医療機関も出てくるかもしれませんね。