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HER2陽性早期乳がんの術後補助療法で有望なneratinib

HER2陽性の乳がん治療薬については、昨年・今年と日本市場でも立て続けに新薬が出てきていますが、また更に有望な薬剤が米国で開発されているというニュース。

 

  ■”Puma Biotechnology Soars on Breast Cancer Drug Results”  <Bloomberg>

   (開発中の乳がん治療薬の治験結果を受け、ピューマ・バイオテクノロジー社の株価が急騰)

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Her2陽性の早期乳がん患者2821名を対象としたPhase3試験で、ピューマ・バイオテクノロジー社が開発中のneratinibが、術後補助療法としてトラスツズマブ(ハーセプチン)の後に続けて投与された場合、プラセボ比較でDFS(無病生存期間)を33%改善した、ということです。

 

同社の株価はこれによって、一晩で、$59⇒$169と、3倍近くになったとか。

本試験の結果を受けて、米国で2015年中の承認が計画されているようです。

 

このneratinibで面白いと感じたことが、2点あります。

 

1点目は、HERA試験という臨床試験で、術後補助療法としてトラスツズマブを投与する場合、1年投与と2年投与ではDFSに差が無かった、つまりハーセプチンの延長効果は無かったという結果が出ているのですが、継続する薬剤をneratinibに変更すると、効果も得られるのだなということ。

 

ただし、「術後補助療法」の治療期間が更に延びることが、患者さんや医療経済にとってどうなのかという議論は、別途残りますが。

 

もう1点は、このneratinib、元々ファイザー社で創出された薬剤だったのが、ピューマ社に導出(売却)され、日の目を見るようになったということです。

 

バイオベンチャーで創出した薬剤を、開発の途中段階でメガファーマが購入して、後は自分たちで開発を仕上げて承認を取得、というのがよくあるパターンですが、この薬剤は真逆のパターンです。

 

それだけの開発力(=資金力)を備えたバイオベンチャーがきちんと存在するというのが、米国の製薬産業の懐の深さを示しているとも言えますね。

 

いずれにせよ、この薬剤の日本での開発がどのように進んでいくのか、注目しておきたいと思います。