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「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2014年版」発売!

「診療ガイドライン」というと、普通はその疾患を治療するお医者さんのためのものです。

 

ガイドラインでは、治療の選択肢がいくつか考えられる場合、それぞれの治療はどの程度のレベルの科学的なエビデンスに基づいており、従ってどの程度推奨されるのか、ということが患者の病期や状況に応じて体系的に整理されています。

 

ガイドライン通りに治療をしなければ絶対にいけないという話ではありませんが、臨床医にとっては「指針」となるもので、もしガイドライン上で推奨されていない治療を行なう場合は、患者さんに対してきっちり説明する必要が本来はあるものです。

 

そういう意味で、患者さんにとっても、治療ガイドラインの内容をある程度把握しておくことは非常に有用なのですが、元々が医師向けのものなので、患者さんにわかり易い言葉・形で書き換えたものにしないと、使い物になりません。

 

残念ながら、そうした形のものは日本ではほとんど存在しないのですが、実は乳がんに関しては、以前より「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」というものがあり、患者さんの目線で見た時に、治療体系をどのように理解していったらよいのかがわかり易くまとめられています。

その最新版がちょうど発売されたということで、学会の中でも紹介されました。

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  ■「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2014年版」

   http://ow.ly/zg36f 

 

このガイドラインが「すぐれもの」なのは、カバーしている範囲が、単に「標準的な治療(あるべき治療)の解説」に留まらないところです。

 

例えば、

・「セカンドオピニオンをとりたいのですが、担当医が優しいので申し訳ない気持ちがしてセカンドオピニオンの希望をいい出せません。どのように切り出せばよいでしょうか。」

・「健康食品は効果がありますか。」

・「乳がんのことを、家族(子ども)にどう伝えればいいですか。」

・「乳がんと診断されたら、もう妊娠は望めないのですか?」

 

などなど、乳がん患者さんが実際に直面するであろう悩みにダイレクトに役に立ちそうな情報が数多くカバーされています。

これは、医療者のみならず患者さんも交えて議論を深め、版を重ねてきた取組みの賜物でしょう。

 

ガイドラインを作成された委員の方々に心からの拍手(!)を送ると同時に、悩みに直面されている患者さんに是非手にとって頂けるよう、私も広めていきたいと思います。

上記の書籍は有料なのですが、Web(乳がん学会のHP)上で最新版が出れば、無料で参照できます。

 

Webの方の現状は2012年版のままですが、ある程度期日が経ったところで2014年版も見られるようになるはずですので、楽しみに待ちましょう。

  ■「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」(Web版)