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「『抗がん剤は効かない』の罪」で浮かび上がる、近藤誠とネオヒルズ族の共通点

2013年のベストセラー、ご存知でしょうか?

 

答えは、近藤誠の「医者に殺されない47の心得」。何と、話題作だったあの村上春樹の「色彩を 持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を押さえての1位です。(出所:TOHAN HP)

 

近藤誠医師の言説に関しては、私もブログの中で批判してきました。

 

中でも↓のブログエントリーはかなり反響を呼び、累計で5万件以上のアクセスがありました。

  もしも近藤誠センセイから「がんの放置治療」をすすめられたら

  

近藤誠医師を批判する方は私以外にももちろん大勢いるのですが、本当に必要なのは、がん治療に精通した現場の医師が彼と同じ土俵である書籍で、わかりやすく一般の方に信ずるところを伝えることだと常々思っていました。

 

そして、そんな本がついに登場したのです。

  

「抗がん剤は効かない」の罪

  

この本の大事なポイントを3つ挙げると。。。

 

・ほとんどのがんで、抗がん剤により、治癒もしくは延命を期待できる時代になってきている

 

・”放っておいても進行しないがん”が存在することは否定しないが、”積極的治療によって治癒が可能ながん”も必ず存在する。そして現代医学では、その2つを明らかに区別する方法が確立していない

 

・”放置治療のリスク”とは、治癒が可能ながんに対して積極的治療を怠ったがために、がんが”進行するリスク”

 

というものです。

 

いわゆる「近藤理論」のどこがおかしいか、かなり丁寧に明解に書かれていますし、現状の癌治療で何が期待でき、何が期待できないかがよくわかる良著です。

 

一方で、医療については素人である友人が「近藤本」と「勝俣本」を読んでの感想は、「勝俣先生が書いていることは、論理的で理解はできる。でも近藤先生の本にあったような希望につながる感じがしないの。」というものでした。

 

勝俣医師は希望を損なわないような書き方を心がけられつつも、「不都合な真実」(抗がん剤やがん治療・検診の限界)もきちんと書かれています。

 

でも真実をしっかり書けば書くほど、「夢」や「希望」の匂いは遠ざかります。

 

それを聞いていた別の友人がぼそっとつぶやきました。「近藤先生は、秒速で1億円稼げる方法を商材として売っていたネオヒルズ族と同じで、”夢”や”希望”を売るビジネスモデルなんですね」と。

 

確かに...

 

「夢」を売る商売というのは、宝くじに代表されるように必要悪的なもので、どこの業界でも無くそうと思っても無くせるものではないのかもしれません。

 

ただ同じ「夢」を買っている人でも

 

・「真実」を知らずに「夢」を買う人

・「真実」を知りつつも「夢」を買う人

 

の2通りがあります。

 

宝くじであれば後者がほとんど。そうした「真実」を知りつつも「夢」を買う人、というのは、不都合な真実に対して半意図的に目を背けているので、これを変えるのは難しいでしょう。

 

でも、「真実」を知っていたら無治療で何とかなるとという夢は買わずに治療を受けていたという患者さんがいるのであれば、それだけで「勝俣本」が世に出る意味があったのだと強く感じます。