こんなのあり?医療用医薬品のオンライン薬局!?

インド当局がロシュ社と乳がん治療薬ハーセプチンの追加特許を認めるか否かでもめている、というニュースが伝わってきた。

India Blames Roche for Patent Problems  (The Wall Street Journal)

 

インドは以前から、国として先発医薬品の特許を認めない方針を打ち出している。抗がん剤に関しても新規の分子標的薬の多くが特許が認められておらず、ハーセプチンに関してはオリジナルの特許は認められているものの、追加部分は「申請書類の不備」を理由に認められなかった、というのが今回の件。

インドは言わずと知れた、「ジェネリック大国」で、国家として先発品の成分特許を認めず、先進国の中で特許が切れていない時期から世界でジェネリックを普及させていく、というのが彼らの「国家戦略」であることを考えると、今回の件もまあ「嫌がらせ」的な意味合いが強いのだろう。。

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ジェネリック」の話で、先日、CANSOL桜井なおみさんに教えて頂いたサイトのことを思い出した。

オンライン薬局 japanrx.com

 

このサイト、「オンライン 薬局」で検索すると一番上に出てくる。業界外の方、オンラインで薬を買おうと思って、このサイトで買い物をしようと思うなかれ。

Rx」というのは医療用医薬品、つまり医師の処方箋が無いと購入できない類の薬のこと。で、この「オンライン薬局 japanrx.com」サイトでは、読んで字のごとく医療用の医薬品がなぜかオンラインで購入できる仕組みになっている。薬局で店頭で販売されている薬とはわけが違うのだ。そして、このサイトで売られている医療用医薬品はほとんどがジェネリックだ。

 

これって法律違反じゃないの?という疑問は当然出てくるだろう。

日本では薬局が医師の処方箋なしに勝手に医療用医薬品を患者に販売したら、確実に薬事法違反で引っ掛かる。

ところが、この「オンライン薬局 japanrx.com」は、「販売」ではなく「個人輸入代行」の形態をとるために違法ではないというスタンスだ。そうした主張が本当に法的にまかり通るかどうかはわからないが、ともかく現時点で買うことはできる。

とはいえ、形として個人輸入であるが故に、もし買うのであれば消費者として覚悟しなければならないことがある。

すなわち、

・そもそも本当に「ホンモノ」の成分が入っているかどうか、確認のしようがない

・たとえ副作用が起きても、完全に自己責任になる

上記の点をふまえた上で、それでも敢えて買いたい人はどうぞ、ということだ。保険適応の対象薬ならば価格メリットもないわけで、そんなリスクを背負う意味はまったく感じないが。

(たとえば、抗鬱剤パキシル10mg錠は、本サイトの販売価格はジェネリック医薬品49円。先発品のパキシルの薬価は105円だから、3割負担の薬価だけ考えたら病院で処方箋もらう方が安い)

それでも、買う人がいるから、こうしたサイトも成り立っているのだろうが。。。

 

 

ともかくも、現在の薬局の店頭販売商品をオンライン購入できるという意味での「オンライン薬局」がもっと検索上位に来るよう、各社頑張って頂きたいものだ。そして、将来的には処方箋がオンライン(クラウド)化されて、どこの薬局でも(オンライン薬局でも)購入可能という世の中になれば、japanrx.comのような怪しげなオンライン薬局も淘汰されていく。そうした時代に早くしていかなければならない。