*[プライベート]2011年有馬記念予想〜絶景(ブエナビスタ)と金細工

有馬記念である。昨年のエントリー、「今年の有馬記念は絶景(ブエナビスタ)か?」http://d.hatena.ne.jp/healthsolutions/20101225/1293295406 では、ヴィクトワールピサの予想がばっちりハマった。


今年は、昨年にも増して出走メンバーの粒が揃って、レースのレベル、話題性、馬券的妙味、どれをとっても有馬記念史上最高と言って良い面白いレースになりそうだ。世上では、「ブエナビスタオルフェーヴルの最初で最後の戦い」ということで盛り上がっているが、もうちょっと違う観点で見なければならないと思っている。




<世代間闘争>


ブエナビスタ(5歳)とオルフェーヴル(3歳)の間にいる4歳世代は春まではここ数年の中では「最強(牡馬)世代」と目されていた。


昨年はローズキングダム(ブエナが降着したからだが)とヴィクトワールピサ古馬戦線のG1を獲り、年が明けてからも重賞のほとんどはこの世代が勝って、更に2着・3着も4歳牡馬というケースが多数あった。


それが、宝塚記念アーネストリー(6歳牡馬)とブエナ(5歳牝馬)がワン・ツーフィニッシュを決めたあたりで少し流れが変わった。秋の天皇賞はここにきて成長を見せた5歳牡馬トーセンジョーダン、そしてジャパンカップはブエナが獲り、4歳牡馬のローズキングダムペルーサエイシンフラッシュ、トゥーザグローリーといったあたりが軒並み期待外れの結果に終わったのだ。


さてでは、本当に4歳牡馬陣が弱くなってしまったのかというと、そうではないと思う。宝塚のアーネストリーも、天皇賞トーセンジョーダンも、ジャパンカップのブエナも絶対的な強さを見せて勝ったという感じではなく、後続もそう差の無い競馬をしている。世代間で見渡してみても、絶対的な強さを誇る馬がいるというより、馬場やローテーションといったちょっとした条件の差で順位が入れ替わりうる「戦国時代」に入ったと考えた方が自然だろう。




有馬記念への臨戦過程のヒント〜激戦と凡戦〜>


ちょっとした条件の差が有馬記念を予想するにあたり、今年はここまでの臨戦過程が例年以上にカギになると見ている。というのは、古馬の中長距離G1路線である天皇賞(秋)ジャパンカップ、の両レースがひどく対照的だったためだ。


まず秋の天皇賞。これは史上まれに見る好メンバーで、やはり史上まれに見るハイレベルなレースだった。1分56秒台のレコード決着に見られるように、極めて「厳しいレース」だったと言える。従って、勝ち負けできた2頭いずれも夏または秋に使ってきた臨戦過程をたどっていて、ここを休み明けで勝負し切るには厳しかったのだろう。


逆に、その後のジャパンカップはメンバーこそ史上最高レベルだったが、レースのレベルは、「凡戦」と言って差し支えのないもの。入りの1000mの時計が61秒8で、勝ち時計も2分24秒台ではこのレベルの馬たちが走ったにしては平凡極りない。勝ったブエナはさすがではあるが、12着までが1秒以内に入っているこのレースはとりあえず「参考外」と言って良い。




<今年もやっぱりヴィクトワールピサ


ブエナビスタ
この馬は、昨年のエントリーを書いた時よりも評価していて、やはり希代の名馬であることは。特に、出たレースで殆ど勝負に絡んでいるのは力のある証拠。一方で、強さ以上に人気が出てしまう馬でもある。


冷静になって考えてみると、府中以外はそんなに絶対的に強い馬では無い、という見立ては変わっていない。前述したように今年のJCはレベル的には大したものではなく、ましてや今年は昨年の府中での2戦ほどの強さは見せていない


牝馬の引退レースというのは、無理はさせないもの。さすがに掲示板は外さないだろうが、あくまでも”押え”としての扱いでかまわない。


オルフェーヴル
この馬は古馬との直接対決が初めてなので、非常に計算しづらい。馬の完成度としては、競馬の上手さという面でディープインパクトを上回っていると評価している。一方で、今年の古馬の層の厚さと、あのルドルフやディープでも古馬との初対決では負けていることを考えると、人気程の評価はしづらい。ということで、これも”押え”としての扱い程度。


トーセンジョーダン
この馬がこの秋一番強い競馬をしてきているが、夏に使って激戦の天皇賞を制し、さらにJCでもきちんと走ったツケがそろそろまわってくる頃と見る。今回は切り。


アーネストリー
この馬は、JCをパスしたことが活きてきそう。中山も得意そうだし、今回はかなり怖い。単穴候補。


ヴィクトワールピサ
春の時点ではこの馬が日本馬の大将。みんな忘れかけているけど、ドバイWCではVピサが勝った一方ブエナは惨敗している。前走はやはり休み明けのブランクが響いたとしか考えられない。このレベルの馬は2走続けての凡走は考えにくいし、パーフェクトの戦績を誇る中山へのコース替わりと、昨年勝った屋根(デムーロ)が今年もという点の心強さもあり、この馬が本命。


エイシンフラッシュ
対抗は実はこの馬。天皇賞ではもっとも馬体に成長を見せていたし、競馬も前々から勝ちに行って唯一踏ん張った馬で、ある意味一番強い内容だった。JCは二走ボケをかましたと考えれば、まだ捨てられない。更に言えば、ルメールへの乗り替わりは大きなプラス。


トゥザグローリー
この馬もエイシンフラッシュと似たような臨戦過程。押えておく必要はありそう。


・その他
まだまだ面白いメンツはいるものの、ぶっつけの臨戦過程のヒルノダムールルーラーシップ、精神面が安定しないペルーサ、成長があまり感じられないローズキングダム、とさすがにそこまでは手を拡げられないなという感じ。あと1頭ちょい気になるのがレッドデイヴィスだが、穴人気し過ぎている感じ。


ということで、結論は今年もヴィクトワールピサが軸で、この単複がメイン。あとは馬連で、エイシンフラッシュブエナビスタオルフェーヴルアーネストリートゥザグローリーへ。さて、今年の夢はどうなりますか。