大相撲の八百長は断じて”トップニュース”ではない

僕は物心ついた時からの相撲ファンだ。小さい頃は、横綱・輪島関が大好きで、輪島が負けると涙が止まらず夕飯が喉を通らなかった記憶がある。(高見山とか麒麟児に弱かったんだよね・・・)その後は、琴風、千代の富士武双山と贔屓の力士は変わったが、現在に至るまでずっと結果は追いかけている。


その大相撲、昨年は野球賭博でTV生中継が中止になるなど大騒ぎになったが、今度は八百長でまたもや騒ぎになり、”存亡の危機”とまで言われている。


野球賭博も何でそんなに騒ぐ必要あるのという感じだったが、今回の八百長についてもしかりだ。大体、大相撲の八百長が昔からあったことは、目の肥えたファンは感づいている。昔は、千秋楽で7勝7敗の力士が8勝6敗の力士と対戦すると、お約束のように勝ち越しのかかった力士の方が勝ったものだ。特に大関が7勝7敗だった場合で負ける姿はまず見た事がなかった。古くは朝潮、北天佑、最近では千代大海など、その意味では”常連”だった。


現在の状態は、そんな昔と比べるとむしろ改善されていると思う。詳しいデータはないが、勝ち越しがかかった力士でもそうでない力士に負けることが結構増えたし、特に外国人力士たちは、”ガチンコ”そのものであることが、対戦見てもよく感じられる。


しかし、夜のニュース番組を見るべくTVを付けてみると、その大相撲の八百長ニュースがトップになっている。あり得ない。一体、何のニュースバリューがあるというのだろう。グローバルの視点だったら、トップは当然エジプトの現在進行形の革命。オーストラリアの史上最大のサイクロン上陸も大きなニュースだろう。


国内に目を向けても、新日鉄と住金の合併の方が、日本の競争力の行く末を考える上でずっと重要なニュースだ。大相撲の力士が八百長やっていようがいまいが、日本の将来に大きく影響はしない。


お願いだから、これ以上騒ぎが大きくなって興行を中止とかわけのわからない方向に行かないで欲しい。迷惑するのは純粋な相撲ファンであり、真面目に相撲を取り続けて場所を盛り上げてくれている外国人力士たちであり、何よりも日本の将来を真面目に考えている人たちである。