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「明日を支配するもの」

あけましておめでとうございます。


昨年1月には月間300ユニークアクセス数に満たなかった本ブログも、おかげさまで12月には3000ユニークアクセスまで増えてきました。「継続は力なり」で、今年も書き続けて行きますので、お付き合いのほど宜しくお願い致します。




<医療界にとって必要な時代認識>


新年にドラッカーの「明日を支配するもの」を読んだのだが、この本が書かれたのが10年以上前なのに、今もって”新しい”事に今更ながら気づかされた。


一番ドキッとしたのが、「政治的存在としての各国政府が自らの政治権力を犠牲にしてまで、財政政策、金融政策を健全なものにすることは、全く期待できない」という下りだ。これはまさに、昨年の日本と欧米で起きた事そのもの。どの国も、景気回復のためになりふり構わない財政刺激を続け、(日本を除き)通貨安競争に走った。


日本は、金融政策に関しては独り健全(?)さを保ったため、通貨安競争の蚊帳の外で、結果的に円高という結果になっているわけだが、財政政策に関しては支出拡大が続いている。自民党だろうが民主党だろうが、どこの党が政権についていても、財政の健全化はできないことが証明された1年だったとも言える。


前回のエントリーでも書いたが、日本の借金(国債)はもはや維持しがたい状況なのは明らかなのに、だ。言うなれば、いつ痛風の発作が起きてもおかしくないくらい尿酸値が上がっているのに、ビールが止められないみたいなものだ。結局、本格的な発作を経験しないと人の行動は変えられないのと一緒で、日本という国もハイパーインフレという形の発作が近未来に確実に来る、と考える方が自然だ。




<ハイパーインフレが医療に意味するところ>


では、国家の財政危機に伴うハイパーインフレが医療にとって意味するところは、何だろうか。それは、「軽症需要の大幅な減退」だ。


「自己負担割合の大幅増加(特に高齢者)もしくは保険制度そのものの崩壊(=自費診療化)」と「インフレに追いつかない程度の医療費の値上げ」
⇒命に直接関わらない疾患での需要の大幅な後退(特に高齢者)
⇒医療機関、特にクリニックの大量倒産(中でも特に、変動金利で借金しているところはアウト)


というような流れが想定される。


現在問題となっている「医師不足」というのは、全体の数としては全く問題ではなくなっていく。今から医学部を新設して医師を増やすのはその意味でもナンセンスだ。


ここで書かれている事を、「そんなことになるわけないだろう。」と思われる方も多いかもしれない。だが、「あってもらっては困る」と「そんなことにはならない」は区別しなければならない。リスクを意識して行動せずに、いざ本当にそのような事態になった時に不平を言っても遅いのだ。何らかの「ワクチン」を打っておく事を一人一人で考えておかなければならない。


では、ワクチンは何か?個人にも法人にも共通して言えるのは、「借金がある場合は固定金利化しておく」、「外貨を稼ぐ手立てを見つける」、の2点だろう。どう具体的に実現していくかは、まさに各々の危機意識と行動力にかかっている。