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製薬会社員とソーシャル・メディア

今年の春先、日本でのTwitterの月間利用者数が1000万人を超えたというニュースがあったが、最近どうも感覚値に合わない気がしてきた。



<普通の”製薬会社員”はソーシャル・メディアはあまり使っていない?>


私がBlogやTwitterといったソーシャルメディアを使うようになったのは、昨年秋に独立起業してからだ。それまでは、Mixiも含めまったく触れてもいなかったし、もしあのまま仕事を続けていたとして、現在BlogやTwitterにどこまで通じていたかとなるといささか懐疑的だ。


最近、製薬会社のマーケッターと話す機会に、ソーシャル・メディアの利用度を尋ねてみているのだが、かなり低いことがわかってきた。Blogを定期的にフォローしたり、Twitterのアカウントを持っていたりという人は、ざっくり10人の内1人いるかいないか、という感じだ。


この働き盛りの年代層はWebのヘビーユーザーだ。製薬会社のマーケッターが特別ITに弱いとも思えない。高齢者や高校生以下は殆ど使わないと思われる中、この層でこの程度ということはTwitter月間利用者数1000万人と言ってもユニークユーザーは半分以下なのかもしれない。


さて、働き盛りの製薬会社員、ソーシャルメディア活用度が低い理由は必ずしもネットに対する親和性が低いからではないだろう。それより、単に他の仕事に忙しすぎてこれらソーシャルメディアに”かまけて”いる暇などない、というところなのではなかろうか。


先日のファルマビジネスアカデミーの講演でお話ししたプロマネの方がいみじくも、「いやぁ鈴木さん、他人のBlogを検索したり見ていたりすると、周りから遊んでいると思われかねないですからなかなか難しいですよ。」と言っていた。要は、BlogやTwitterを見ているのは「仕事」とは認められない(認めたくない)という認識があるのだ。



<ビジネスの道具としてのソーシャルメディア>


しかしながら、少し視点を変えてみると、彼ら製薬会社員も一般紙や業界紙のクリッピング・サービスは必ずと言っていいほど利用している。


BlogやTwitterは医療従事者や患者・家族で積極的にアウトプットしている人が相当な割合でいる。そして、一般紙や業界紙で最終的に大きなニュースとなっている話も、BlogやTwitterでキーパーソンが交わしている情報と比べれば、実は”旧い話”も多い。


そう考えると、ソーシャルメディアをきちんと自分の情報網として取り込んでおくことは、これからの製薬・医療機器のマーケッターにとっては、マスコミ紙媒体のクリッピング・サービスを利用する以上に不可欠な仕事となってくる。(ただ、他の業界のように「アウトプットの手段」としても位置付けるには薬事法などの法規制との兼ね合いもあって、そう気軽にやれる話ではないが)


あとはBlogやTwitterの特性で、余計なエントリーや呟きがたくさんあるから、如何に自分にとって真に必要な情報のみをピンポイントに拾ってくるかが鍵になる。そこで、TOBYOで現在開発中の「DFCディスティラー」のような、「ピンポイントで必要な情報だけ見られるようにするツール」が今後ますます重要になってくる。


”製薬会社員”にとっても、「受動的なマス情報取得」から「能動的な個別情報取得」に舵を切る競争がもうスタートしているのだ。