*[医療への視点]医師は100歳過ぎても医師!?〜”生涯現役”の免許制度

今日は、ちょっとぎょっとするTweetに出会った。


「sawataishi」さんという方が↓のようなTweetを残されている。

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厚労省よ100才以上の医師の生存確認をせよ。医師の死後の手続を多くの家族がしらない。医師資格確認サイト http://licenseif.mhlw.go.jp/search/ には死亡した医師がそのまま登録され、総医師数は水増しされてる。一人暮らしで死亡医師もいる

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何にぎょっとしたかって、医師は死ぬまで資格を持っているという事実に対してだ。(医師にも行方不明高齢者がいるということには別にぎょっとしない。あれだけ行方不明者がいるということは、一定の割合で(元)医師だっているだろう)


医師は"プロ"である。


プロは定年はないけど、プロたる力を示せなくなれば、あとは引退あるのみだ。プロ野球選手も引退すれば"元"プロ野球選手。サッカー選手は"元"Jリーガー。スポーツ以外でも、例えば将棋や囲碁の世界でも、競争に勝てなくなってくると引退ということになる。


さて医師である。


以前のエントリー「外科医はプロスポーツ選手」(http://d.hatena.ne.jp/healthsolutions/20100531/1275320007)で指摘したように、特に外科医についてはこの"プロ"の要素が強い。"旬"でいられるのはせいぜい50代まで。60代になるとメスを置かざるをえなくなる。「孤高のメス」のモチーフである大鐘稔彦医師だってそれくらいでメスを置いている。


そして、外科医ほどではなくとも、医師としてプロの能力を発揮できなくなる時が加齢と共にいずれやってくる。現実問題として、耳が遠くなってしまってまともにコミュニケーションができなくなっていたりしたら、全うな診療はできないだろう。言うまでもないが、医療用医薬品を処方する以上、相応のリスクは常にある。


そして、そこまでの状態になってしまった方は、自ら免許を返上するとは決して言わないだろう。となると、何らかの形で適性を定期的にチェックして、場合によっては免許を返上させる仕組みを作っておいた方が良い。


医師不足」の中なにを言っているんだ、という声も出てくるかもしれないが、最低限の質の担保は、患者の立場としてはあってもらわねばならないのだ。