製薬マーケティングに求められるROIの感覚
今週は、アポの件数を若干絞って再来週に予定されているファルマビジネスアカデミー(PBA)の講演の準備に時間を充てている。
講演の中でも触れようと思っているのが、製薬会社のオカネの使い方の拙さ。違法なものに使っているとかではなく、単に投資対効果がきちっと吟味されていないまま巨額のオカネが使われているという点。
特に、マーケティングではDTC(Direct to Consumer)関連が相変わらず目立つ。
例えば、ニキビの疾患啓発。
http://www.nikibi-hifuka.jp/special/
塩野義とガルデルマで、柳原可奈子を起用したこの宣伝、電車の広告で見た覚えはあったのだが、TV-CMまでやっているという認識はあまりなかった。
先日、別の領域のとある事業部長さんとこの話題になったが、どう考えても数億円の投資に見合うとはとても思えない。
「十分な潜在患者数」「高い患者シェア」「それなりの患者単価」の3条件が揃わないとTV-CMまでやるような本格的なDTCをやっても"持ち出し"になってしまう。
個人的な経験値からすると、上記条件それぞれで、500万人・50%・5万円、というのが一つの目安となる。
このニキビのケースで言うと、1番目・2番目はそれなりにクリアしていても、3番目の患者単価が数千円レベルでどうにもならない、というのが見立て。
大方、海外の受け売りか広告代理店のプレゼンに引っ掛かったのだろうが、同じお金使うならもうちょっと違うところに使いましょうよ、と申し上げたい。