上海の朋友

昨日、上海で起業している中国人の旧友フィリップと2年ぶりに会った。


フィリップとの出会いは現在を遡る事20年前。


当時、僕は日本の大学を休学して米国の大学(サンディエゴ大学)に留学中。クリスマス休暇に行く宛てが無かったのが、同級生の日系3世の女子学生のお母様のご厚意で、アリゾナに招待して頂いた。


車を駆る事7時間、行ってみると、「今日から、この人の家で泊まってね」と紹介されたのがフィリップだった。彼はサンダーバードというビジネススクールの学生で、日本語もテープを使った独学でかなり流ちょうに話す事が出来た。何よりも驚いたのが米国に来た経緯で、20ドルだけ持って天安門事件直後の中国を飛び出したというのだ。


僕らは年齢が近かった事もあって、すぐに意気投合した。
そのフィリップが卒業後、メルクという当時世界No.1の製薬会社に入ったという話が入ってきたのだが、さらにその後日本で働くことになり、僕の実家とも仲良くなった。


その後、中国本土に戻って転職を重ね、ついにブリストルマイヤーズの現地のNo.2まで若干31歳で上り詰める。そして2002年には、医療用の皮膚科薬を専門に扱う「Profex」という会社を当時のBMS中国のNo.1と共に立ち上げて、現在に至る。


不思議なもので、ビジネススクール、外資系製薬会社、そして起業と、意識したわけではないのだがフィリップの辿った軌跡と似たようなキャリアを積んでいる自分がいることに驚く。これも運命なのだろう。


フィリップのおかげで、中国に2-3年に1度は訪れ、その発展ぶりを肌で感じ取ることができているし、何よりも彼と会って話す事自体が、自分の仕事への刺激になってきた。


そんなまさに「朋友」でありかつ「兄貴分」でもあるフィリップだが、一つだけこちらが先輩となったのは家庭を築く事。彼はまだ独身なのだ。素敵な日本人女性を紹介する機会を作れれば、今までの恩返しもできるかなと考えている。