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ニュースのお作法~「経済的理由で治療中止、約4割の医療機関で」???~

雑感

「経済的理由で治療中止、約4割の医療機関で」てなタイトルを見て、皆さんどのような記事を想像するだろうか。


↓の医療介護CBニュースがネタ元なのだが、この記事、短い割にあまりにも突っ込みどころが満載で、呆れてしまった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100617-00000009-cbn-soci



突っ込みどころ①:


医療機関と言っても、調査対象をよくよく見ると歯科診療所がかなりを占める。そして治療中止を経験した施設の割合が「施設別では、歯科診療所が47.4%で最も多く、次いで医科診療所33.4%、病院26.6%の順」というのであれば、医療機関でひとくくりに論じるのはちと乱暴すぎる。



突っ込みどころ②:


上記の歯科で治療中止を経験している例が多いことについて、保団連の宇佐美宏副会長は、「歯科は命に直結するわけではないので、医科よりも経済的な影響が強く出る。痛みが治まると受診しない人も少なくない」と説明しているらしい。


ん?診療所も命に直結するもの殆どないと思うぞ。それに、命うんぬんより、コストのかかる自費診療を歯科はかなり手掛けている例が多いから、が真相じゃないのかな。でもこれ言うと、混合診療解禁論につながっちゃうのでそうは言えなかったという事?



突っ込みどころ③:


最後の中間報告のメッセージ「不況下で、患者の受療状況はことのほか深刻だった。改善には、窓口負担の大幅な軽減などが必要」って結論がなぜ出てくるのかさっぱりわからない。


そもそも4割が絶対値として高いのかどうか。これあくまで医療機関の割合だから、実は「意外に低いんじゃない」とすら感じる。だって、6割の医療機関では経済的理由で治療を中止した人がこの半年に一人もいなかったってことだもの。患者の4割だったらさすがに高いと思うけど、ね。


更に言うと、医療機関の4割という数字が絶対値的に高いのだとしても、ここ何年かの数字と比べてみてもぐっと高くなっているかどうか、という時系列の相対感がないと、本当に問題なのかどうかわからない。



「イケてない」のが保団連なのか、この記事を書いている記者なのかはわからないが、いずれにせよ何ともお粗末な記事と言わざるを得ない。ニュースにももう少しロジカルな「お作法」を求む。