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トンズランスと口蹄疫

「格闘技部に流行する新型水虫」、何かデジャビュを見ている感じだった。
トンズランスと呼ばれるこの水虫、4〜5年ほど前にも全く同じようにマスコミに取り上げられたものだ。


それが、Yahoo!のTopNewsに挙げられているからびっくりした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000012-kana-soci


しかし、今更"新型"ってのもねぇ。。。


このトンズランス、いわゆる"水虫"なだけに、カビの一種が引き起こす"真菌症"である。この類の病気の中では感染力が非常に強いと言われており、柔道やレスリングのようにボディコンタクトが頻繁にある格闘系のスポーツをやっている人は感染のリスクがかなり高い。


もっとも、治療法はあり、ひどくなったとしてもイトリゾールやラミシールなどの飲む水虫薬で治すことができる。


現在問題になっている口蹄疫もそうだが、感染力の強い"伝染病"を人の手で"封じ込め"することがどれくらい効果的なのかというと、首を傾げざるを得ない。


口蹄疫の感染力の強さについては、Wikipediaにも下記のように記されている通り。

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家畜の伝染病の中では最も伝染力の強い疾病でもあり、感染動物からの体液、分泌物、糞便との接触だけでなく病原体が付着した塵により空気感染もする。空気感染では、水疱が破裂した際に出たウイルスや糞便中のウイルスが塵と共に風に乗るなどして、陸上では65km、海上では250km以上移動することもある。
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こうなってくると、家畜の移動を禁止したくらいでは、ウィルス拡散のスピードを多少落とすことはできても、他地域に広がるのは時間的な問題と考えざるを得ない。


昨年のインフルエンザ騒動の"空港(機内)封じ込め"戦略がほとんど意味が無かったのと同じ事になりそうな気がする。かといって何かやらないとマスコミに叩かれる、という構造がある限り、色々と手は打とうとするのだろう。


パンデミックは人でも家畜でも残念ながら起こる時は起きる。それも特殊な理由なしに。明日以後に書評を描こうと思っている「歴史は『べき乗則で動く』」でこの辺りの話が詳しく書かれているが、ともかくもそうしたものであることを受け容れるとしたら、その場しのぎの対策の良し悪しを論じるよりも、流行が最悪の事態になった時を想定した"事後対応"にエネルギーを注ぐのがより生産的である、と言えよう。


その意味で、鳩山首相が「(現段階で打てる手は打ったので)これで大丈夫」と記者会見で見得を切っていたが、楽観的な予測で動いて本質的なリスクマネジメントが損なわれることがないように、と思うばかりだ。