病院のIT活用〜「光の道」:孫vs佐々木対談に思う〜

ブログやTwitterのヘビーユーザーにはかなり知られている話だと思うが、先週木曜日、ソフトバンクの孫正義社長と、IT評論家の佐々木俊尚さんが「光の道」について5時間におよび大討論を繰り広げ、それをUStreamで同時中継する、というイベントがあった。


この話、元々は(孫さんの肝いりで)原口総務相が出した「光の道」構想に対し、佐々木さんがTwitter上で批判したことに端を発し、それでは時間無制限でガチンコ討論をやろうということになり、実現したものだ。


詳しくは対談録(http://www.tarosite.net/blogging/-hikari-road.html)を参照して頂きたいが、要は、孫さんは光ファイバーを全戸に届ける「インフラ」整備の優先順位が高いと言っているのに対し、佐々木さんはインフラよりプラットフォームこそが重要と言っている。


両者の意見は、「国がコストを一銭も払わずに光の道ができるのであれば、それにこしたことはない」という至極当たり前の話で一致を見たが、主張の本質的な違いがくっきりと浮かび上がらなかったのはファシリテーター役が間に入らなかったからであろうか。


こと医療に関して言えば、僕は佐々木さんの意見に同意する。Webの活用がイマ一つ進んでいない現状は光ブロードバンドという「インフラ」の問題ではないだろう。


例えば、患者さんにとって便利かつ科学的な情報がAggregateされたサイトというのはあまり見かけない。
医師向けには、エムスリーやケアネットなどがあるが。


そう考えていくと、実は、TOBYOはまさに「プラットフォーム」なのだ。
患者さんやご家族がWeb上に残した記録(ブログ)を可視化できるプラットフォーム、という意味で。


佐々木俊尚さんが、「コンテンツ」「コンテナ(プラットフォームと同義と考えてOK)」「コンベヤ」という表現をされるが、「コンテンツ」=闘病ブログ、「コンテナ(プラットフォーム)」=TOBYOサイト、「コンベヤ」=ブロードバンド回線、という構図になる。


コンテンツもコンベヤも実はよく考えてみるとそこそこある。コンテンツを如何に束ね整理して見せるか、というところにイノベーションの余地が残されているのだ。