抗がん剤で吐き気、はもう旧い!

今まで多くのがん患者さんとお話ししてきたが、がん治療の道中、やはり「吐き気」「嘔吐」が一番辛いという人が多い。特に多くのがんに用いられているプラチナ系の抗がん剤を投与する場合は、吐き気は"必発"というのが今までの常識だった。


それが、最近そんなことはなくなってきたという話。(もう知っているよ、という医療関係者の方は読み飛ばしてください)


「がんサポート5月号」に「患者ケア特集」としてサポーティブケアの話題がいくつか出ているが、その中で「『吐かない』抗がん剤治療」として、最新の制吐剤(吐き気止め)の情報が出ている。


記事では、今までなかなか抑えることができなかった「遅発性悪心・嘔吐」(抗がん剤投与してから1日以上の時間をおいて出てくる吐き気・嘔吐)に効能がある薬剤が昨年から立て続けに承認された2つの薬剤(アプレピタントとパロノセトロン)について書かれている。


今まで使われてきたタイプの吐き気止めにこれらの薬剤をうまく乗せれば、9割方嘔吐は抑えられるというデータが紹介されている。勉強不足でよくわかっていなかったが、これはすごい進歩と言えよう。


吐き気・嘔吐は体力的にも精神的にも辛いのは容易に想像がつく。二日酔いの状態が続いたら、健康な人だって参ってしまう。吐き気がひどくて抗がん剤投与を続けられない人も中にはいるだろう。それだけに、これらの薬剤は多くのがん患者さんにとって福音になると思われる。


医療の進歩に、ここは素直に拍手。