書評:「仕事するのにオフィスはいらない」(佐々木俊尚)

TOBYOの三宅さんがよくチェックされている佐々木俊尚さんの本を初めて購入した。TOBYOでも紹介されていた「ネットがあれば履歴書はいらない」を買うのが目的だったのだが、amazonのオススメで出てきた「仕事するのにオフィスはいらない 〜ノマドワーキングのすすめ〜」のタイトルがあまりにも魅力的だったのでこちらにも手を出した。


このBlogの中でも紹介しているように、私自身はかなりモバイル・ワーカーであることを自負している。自宅をオフィスとはしているが、日中に自宅にいることはほとんどなく、最近は以前のエントリーで紹介した「勉強カフェ」を根城にしている。(http://d.hatena.ne.jp/healthsolutions/20100217/1266417977
一種の"出城"みたいな感覚だろうか。自宅とこことを起点に、クライアントとの打合せや外での仕事に"出撃"しているようなイメージだ。


この本を読んでみて、こうしたスタイルこそがまさに佐々木さんの言うところの「ノマドワーキング」なのだということを知った。


因みに、「ノマド」とは遊牧民を意味する言葉らしいが、非常にセンスのあるネーミングだ。


佐々木さんの著書の内容は是非買って読んで頂きたいが、私自身が一番参考になったのは、「アテンションコントロール」の下りである。独りで仕事を進めるスタイルだと、時間の使い方は自分のコントロール下におけるのだが、それ故に油断しているとアテンション(注意力)が散漫になりがちだ。自宅に週末仕事を持ち帰ろうとすると、ついついTVを観てしまって結局大して進めることができない、なんていう人は要注意ということだろう。


自分自身のケースを考えると、そこまで注意力散漫になることはないものの、やはり本来進めていたはずのヘビーな仕事とは違うライトな仕事に嵌ってしまうという経験はかなりあった。


佐々木さんが言うには、「ACDC」プロセス(Acquisition<取得する>、Classify<整理する>、Dig<掘り下げる>、Collaborate<連携する>)を意識して、高いアテンションが不要な最初の「AC」部分と、大いに必要な後半の「DC」の部分を交互に持ってくる仕事のリズムを作るのが大切、ということである。


何となくそんな感じかなと思っていたことなのだが、実際にかなり意識して時間をマネジしてみると、結構能率が上がることをこの2日ほどで実感した。著者の佐々木さんに感謝、である。


この本に唯一付け足すことがあるとしたら、「セキュリティの確保への意識」、だろう。モバイルで外で仕事をするということは、いつどこで誰にPCやi-phoneの画面を覗かれるかわからない、という意識を持つことが大切だ。いくら管理するデータがクラウドの向こう側にあるとはいえ、どこかで画面は表示するわけなので。ということで、「覗き見防止フィルター」は必需品と言え、私自身も愛用している。


ということで、今後もメディカル・インサイトは「ノマド」で行こう!