国母選手の"服装問題"に見る報道の品格

バンクーバーオリンピックが開幕した。


スポーツ観戦好きの自分としては大いに楽しみな2週間であるが、いきなり"なんだかなぁ"と思わされるニュースが出てきた。


スノーボードハーフパイプの国母選手が空港での"服装の乱れ"で注意されて入村式に出られず、さらにその後の記者会見の言動が批判にさらされている件だ。


確かに、YOUTUBEにも多数アップされている会見の映像を見ると、非常に子供っぽい対応だし、品もよろしくなかったと思う。


僕が"何だかなぁ"と思うのは、国母選手の言動と言うより、「こうでなければいけない」と型にはめようとする周囲の姿勢と、この話題をどんどん煽るマスコミの対応ぶりだ。


TOYOTAの品質問題とはレベルの違う話なのだ。少なくとも彼の服装は一つのファッション(自己表現)であり、人を傷つけるようなことをしているわけではない。後で小言は言うとしても、競技前の大切な時期にこんな話ばかりを本人にぶつけるのは如何なものか。


オジサン世代だって、高校のクラスに何人か"服装の乱れ"があった人間はいたはずだ。修学旅行のときだってそういう人間がいただろう。でもそういう奴も、意外に見どころはあったりするものだし、周囲もまあいいか、という眼で見守るものだ。


そうしたはみ出し方を許容しない社会の方が気持ち悪い。いいじゃない、それくらい個性があったって。皆で「風紀委員」になるのを助長するかのような報道の在り方の方が"品格"に疑問を感じるのは僕だけだろうか。