山本病院事件に見る医療界の反応

大野病院事件を契機に医師対する刑法の適用に対し、抑制的な論調が目立ってきている。


患者を助けようとしたにも拘わらず不注意や偶発的な事故で患者が亡くなるケースというのは、これからも出てくるだろうし、そうした場合に医師個人がきちんと護られるような仕組みを考えることは必要だと思う。私個人も大野病院事件では担当医師が刑事訴追されることへの反対の署名をした。


しかしながら、不幸なことに刑法を適用しないとさすがにいかんだろう、という悪徳医師も一部いることは否めない。図らずも、それを如実に指し示すような事件(山本病院事件)についての報道が昨日あった。


この報道に対し、医師側からどういった反応があるか興味を持ってい見ているが、今のところ大野病院事件で声を大きく上げていた医師たちからはまだ何も聞こえてこない。ただ、↓のブログにあるように、草の根では全うな議論も出てきているようだ。


http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/510591/47528124


上記の投稿へのコメントの中で正鵠を射ているものがあったので、紹介したい。

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一般論ですが、沈黙は容認とほぼ同義のように感じます。
報道を見た一般人の多くが、これはひどいと思うケースで、
医師だけが沈黙していれば、容認と受け取られても反論は難しいでしょう。
報道内容が事実なら、医師も一般人同様怒るのだという事実を、
沈黙から読み取る人は多くはないと思います。

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まったくもってその通り。こういう時こそ、大野病院事件で医師を護るために声を張り上げていた人たちはそれ以上に声を張り上げて、山本病院の医師は厳罰に処し排除すべきだ、ということを世間に対して言わなければならない。それでないと、credibilityを失ってしまう。医師の良心と"自浄作用"に期待したい。