キリンとサントリーの統合交渉決裂〜続編〜

昨日のエントリーに引き続いて同じ話題。


今朝の日経に破談の経緯の詳細が出ていたのだが、改めて首を傾げてしまった。


報道によれば、キリン側はトップ同士の事前交渉時にはサントリー創業家の「議決権3分の1の確保」についてOKを出していたにも関わらず、本格交渉時の最初のキリン側からの統合比率の提案が「1:0.5」だったというのだ。この比率だと、サントリー創業家のシェアは3分の1にギリギリ届かないレベルであり、最初の話は何だったのかと佐治社長でなくとも思うであろう。


キリン側はこれを「交渉のテクニック」としているらしいが、大前提の話をひっくり返してのオファーは、当たり前だが相手を怒らせるだけだ。統合話を進める前提で本当にテクニックでやったのだとしたら、交渉戦略としてはあまりにも稚拙と言わざるを得ない。


もしかしたら、統合交渉入りの発表があった後、キリン社内で統合反対勢力がかなり巻き返して、破談に導くためにわざとひどいオファーを出させるような動きがあったのかもしれない。


いずれにせよ、昨日も書いたが今回の経緯は特にキリン側は「お粗末」の一言。であるが、見る限り日本のマスコミはそうしたネガティブな論評は無い。このあたり、大スポンサーに対する配慮なのかもしれないが、もうちょっと突っ込んでもらいたいものだ。