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キリンとサントリーの統合交渉決裂に思う結婚の条件

今日のビッグニュースが、掲題のキリンとサントリーの統合交渉の決裂。


上場企業と非上場企業の合併というのはなかなか珍しいケースであること、キリンが傘下に協和発酵キリンという医薬品事業を持っていることから、統合交渉入りのニュースを知った時から、どうなるのか興味をもって見守っていた。


この類の話は、合併のニュースが出ても実際には破談になることがそう珍しくはないのだが、今回のケースはどうもキリン側にとってかなりお粗末な話だったのではないかと推察する。


今回の破談の理由だが、キリンの加藤社長は「株式を公開する会社として経営の独立性・透明性の担保ができない」とする一方、サントリーの佐治社長は「理由は統合比率」としている。また、医薬品事業の取扱いについても、売却を考えるサントリー側と継続を前提とするキリン側で相違があったということも伝えられている。


医薬品事業の話は脇に置いておいて、キリンが挙げている理由は理由になっていない。「経営の独立性」が担保されていない株式公開会社はごまんとある。例えば、キリンの傘下の協和発酵キリンもそうであろう。そんなこと言うのであれば、協和発酵キリンは非上場にすべきだろう(それはそれで一つの見識だが)。また、「経営の透明性」は上場会社である以上、ルールがあるのだから担保ができないということはあり得ない。


実際、質疑応答を見てみても、加藤社長の言っていることは全く要領を得ない。(↓記事参照)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100208-00000557-san-bus_all


今回のケースは、加藤社長ははっきりとそう認めていないが、おそらく佐治社長の言っている「統合比率」、それも議決権の3分の1をサントリー創業家が確保するか否かのところで、双方の見解が全く異なっていたというのが実態だったのではなかろうか。


もっと言うと、そもそも統合交渉入りを決めた際に、佐治社長から何らかのサインは出ていたものの、加藤社長が「議決権3分の1」の持つ重みと意味を理解しておらず、その面でサポートすべき財務のトップが交渉にきちんとかんでいない状態で統合交渉にGoが出たのではないか、というのが私の勘繰りである。加藤社長の経歴を拝見すると、いわゆる"国内営業の叩き上げ"で社長になった方なので、なおさらその疑念が強いのだ。


また、佐治社長から何の話も出ていなかったにしても、この結婚話の条件の中で、3分の1の確保を是とするか非とするかについては唯一最大のポイントなので、事前に詰めておかなければおかしな話だ。「サラリーマン社長の限界」と言ってしまえばそれまでだが、これでは経営者としては力不足と言われても仕方が無いだろう。


それにしても結婚とは難しいもの。昨日出席した披露宴で拝見したカップルも、付き合ってから6年を超える長い春だったようだが、おそらく"詰め"に至るまで色々な紆余曲折があったのだと思う。


一旦結婚しても、財布の主導権、互いの両親の老後の世話、家をどうするか、子供は欲しいかなど、事前に決めておかないと後で爆発する地雷はたくさんある。少なくともここに挙げた4つの点に関しては、娘が結婚する時はきちんと詰めさせておかなければね、というのが妻との一致した見解である。