1260953655**[医療への視点][医療の変革]健康保険一元化:保険料議論にモノ申す

予算編成もたけなわとあって、ここのところ色んなニュースを目にするが、中でも気になっているのが、協会けんぽに対する国の補助のお話。


中小企業の社員が入るのが協会けんぽであるが、この健保が千億円単位の大赤字になることが予想されている。国から補助金を取るのが難しそうなので、民間の健保から援助させようというのが厚労省の目論み。それじゃたまらんので、国に対してお金を出して協会けんぽを救ってくれぃと民間の健保は陳情している。


この話、他人様の財布を勝手に使いまわすみたいな話で、そもそもひどいのだが、国民の目線としてはもっと根本的なレベルで考えなければならないことがある。


それは、なぜそもそも入る保険組合や住んでいる地域で保険料が変わってくるのか、ということ。健康保険の被保険者となる権利を得るための額が、勤めている会社や地域で変わってくるっていうのは、憲法の精神に鑑みてもおかしいのではないか。


保険料が違ってくるのは、被保険者の年齢構成が違うからなのだろうが、それではなるべく大きなパイで相互扶助することによりリスク分散するという本来の保険の意味・意義は損なわれるであろう。そうだとすると、議論すべきは、被保険者を日本国で一本化する「保険一元化」ではないか。


保険組合の赤字を逐一税金で穴埋めしようとする現状を見るたび、そんな個別の議論でエネルギーを使うより、もっと本質的な骨太の議論に変えていかなければと感じる。