1260284814**[医療の変革]病院の待ち時間

先日行なった、がん患者さんの医師とのコミュニケーション調査の自由回答の中で、待ち時間についての不満が複数見られた。


確かに、予約を入れているのに2時間も顧客を待たせるサービスなんて、病院くらいしか考えられない。一方で、予約料をとっているわけではないし、何よりも外来で医師1人あたりでこなさなければいけない患者さんの人数を考えると、「そうは言っても」というところはある。


待ち時間を短くするために、一人あたりの診察時間を今よりもさらに短くする、というのはこの場合、解にはならない。診察時間が短くてあまりにも素っ気ないという別の不満が増大するのが目に見えているからである。


この場合、患者さんの本当の不満は「待ち時間が長い」というより、「どれくらい待たされるかの予測性の欠如」がより本質的な問題であろう。そうすぐには呼ばれないとはわかっていても、万が一呼ばれた時のことを考えて待合にいなければならないのが苦痛なのである。


できれば、「予約時間」と呼ばず「受付指定時間」として、受付時に「診察はXX時くらいになるのでYY時ZZ分には待合に来て下さい」というような紙を渡す、というオペレーションになれば、患者さん側も院内のコーヒーショップにでも行って、くつろげるだろう。


医療機関側もせっかく患者さんに滞留していただけるのだから、そこを不満の源泉ではなくビジネスチャンスに変えてほしいものである。