早期乳がんでの乳房両側切除は期待するほどの効果出ず

がんに対する3大療法は、「手術」「抗がん剤」「放射線」の3つです。 この内、手術の根本思想は、「腫瘍細胞を取り残しが無いように切り取る」ことで完治を目指すとういもので、その意味では「なるべく大きく切除する」という考え方になります。 一方、あま…

子宮頸がん予防ワクチンを男子にも!?

子宮頸がん予防ワクチンについては、日本では2010年に普及が開始したものの、2013年に副反応(接種後の原因不明の身体の痛み)の問題があがり、多くの自治体が積極的な接種推奨を取り止めることになりました。 一方で、子宮頸がんの罹患率を見てみると、米国…

ダニに咬まれると肉アレルギーになる!?

野生のダニは、日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの病気を媒介する可能性があるため、油断できないものですが、こんなケースもあるのだという米国発のニュースです。 ■”Lone star tick can make you allergic to red meat” <「ダニに噛まれ…

臨床睡眠医学会にホンモノの学会の姿を見た

月初に、日本臨床睡眠医学会(略称ISMSJ)の学術集会で、1時間以上もの講演をするという珍しい機会を頂きました。 ■第6回ISMSJ学術集会 プログラム そもそも学術的な学会のしかも「教育プログラム」というのに、こんな軽いノリのお題で良いのかなと危惧して…

乳がんの病院・医師ガイド「イシュラン 愛媛版」に乳房再建の情報を追加!

乳がんの患者さんにとって、長く続く身体上・精神上の苦痛の根幹の原因の一つが、手術による乳房の喪失・変形であることは論をまたないでしょう。 昨年、人工物(インプラント)での乳房再建術に保険適用がされたこともあり、乳房再建を希望する患者さんが増…

HER2陽性早期乳がんの術後補助療法で有望なneratinib

HER2陽性の乳がん治療薬については、昨年・今年と日本市場でも立て続けに新薬が出てきていますが、また更に有望な薬剤が米国で開発されているというニュース。 ■”Puma Biotechnology Soars on Breast Cancer Drug Results” <Bloomberg> (開発中の乳がん治療薬の治験結</bloomberg>…

女性のがん患者さんが気兼ねなく行ける美容室リスト登場

「髪は女性の命」とも言いますが、抗がん剤治療を経験する女性のがん患者さんにとって、苦痛の大きな副作用の一つが「脱毛」です。 脱毛を経験すること自体、非常な苦痛であるのは想像に難くないのですが、さらに切実な問題なのが、そうした際に「気兼ねなく…

「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2014年版」発売!

「診療ガイドライン」というと、普通はその疾患を治療するお医者さんのためのものです。 ガイドラインでは、治療の選択肢がいくつか考えられる場合、それぞれの治療はどの程度のレベルの科学的なエビデンスに基づいており、従ってどの程度推奨されるのか、と…

新規吸入剤インシュリンがFDAに承認

このブログはがん関連の話題を比較的多めに取り上げているのですが、今回はめずらしく糖尿病のお話です。 糖尿病は、経口剤で血糖値をコントロールできている間は経口剤で治療するのですが、それでもコントロールしきれなくなると今度はインシュリンの出番に…

がんの治療に特化した資金調達サイト「Standbuy」

がんの治療費が、分子標的薬の浸透などに伴って高額になってきているのは、先進国では共通の現象です。そして、患者にとっての負担額が最もシビアなのは、おそらく米国でしょう。 その米国で、がんの治療に特化した資金調達ができる「Standbuy」なるサイトが…

郵便局で緑内障の疾患啓発とはこれいかに

先日、近所の郵便局で封入作業をしていたら、背後で「XXさん、緑内障って知っていますか?」と大きな声。気になって振り向いてみると、なんと郵便局員、いや正確にはゆうちょ銀行の社員が、窓口で緑内障のポスターを取り出して、高齢の男性のお客さんに緑内…

お仕事Tips:スマホのアラームを10分前にセットせよ

この2週間ほどお仕事ラッシュで、起業して以来、最も多忙な日々を送っていました。 私自身は、マルチタスクをこなすのは会社員時代から比較的慣れてはいるのですが、今回のお仕事の波は時間管理を相当きっちりやりきらないと乗り越えられない類のものでした…

はしかウィルスでがんが治る!?

はしかウィルスでがんが治る、なんて聞いたら相当怪しげな治療法に聞こえますよね。ところが、本当に効く可能性がありそうというお話です。 ■”Woman’s cancer killed by measles virus in unprecedented trial” 「はしかウィルスで骨髄腫が寛解」 (The Wash…

”震動カプセル”が便秘解消の切札に!?

「う〜ん」と唸らされる、イノベーションのお話です。 腸内で震動して便を押し出すことで便秘を治療するカプセルが登場しました。 ■”Vibrating capsule may relieve constipation” (CBSNews) <震動カプセルが便秘を解消するかも> イスラエルのテルアビブ・…

カドサイラから考える薬価決定プロセスの変革

若干旧いニュースになりますが、HER2陽性乳がんの治療薬「カドサイラ(T-DM1)」が日本でも発売になりました。 この薬が昨秋に承認されたものの薬価でもめた件については、以前のブログでも取り上げました。 ■「1年延命のコストが1500万円?~新薬カドサイラ…

「『抗がん剤は効かない』の罪」で浮かび上がる、近藤誠とネオヒルズ族の共通点

2013年のベストセラー、ご存知でしょうか? 答えは、近藤誠の「医者に殺されない47の心得」。何と、話題作だったあの村上春樹の「色彩を 持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を押さえての1位です。(出所:TOHAN HP) 近藤誠医師の言説に関しては、私もブ…

「1錠10万円」のお薬でも「安い」ワケ

ここ何年かで最も画期的と思える治療薬群が開発・発売されつつある領域が、C型肝炎です。 その新薬群の一つであるソバルディ(一般名:ソフォスビル)という薬剤が、米国で承認されたのは良いのですが、「高すぎる」ということで問題になっているようです。 …

あなたは3秒?5秒? 床に落としたその食べ物、食べても大丈夫?

床に食べ物を落としてしまった時、拾って食べても大丈夫かどうかで、都市伝説(?)的に言われてきた、「3秒ルール」とか「5秒ルール」は、意外に万国共通です。 そんなお話で、新たな研究結果が出てきました。 「“Researchers prove the five second rule…

飲んでも効きません「ぐるぐるぐるぐるグルコサミン」

「ぐるぐるぐるぐるグルコサミン」という妙に記憶に残るTV-CMがあるくらい、グルコサミンは「膝の痛みに良い」というイメージで知られている人気サプリの一つです。 グルコサミン CM 世田谷自然食品 - YouTube そんなグルコサミン、本当に効くのでしょうか?…

「予防的卵巣切除」でがんの罹患リスクが激減

昨年話題になったアンジェリーナ・ジョリーの予防的乳房切除ですが、今回は予防的卵巣切除の話です。非常に重要な研究結果がカナダから出てきました。 “Early Ovary Removal Reduces Long-Term Cancer Risk: Study”(「予防的卵巣切除が長期的ながん罹患リス…

時差ボケ予防は「機内食を食べない」こと、なのか!?

海外出張や旅行に出かけると、どうしても気になるのが「時差ボケ」です。 私の場合、時差ボケが結構きつく出る方で、いつも身体がきちんと調整できたと感じるのは1週間くらい経ってからです。それまでは、睡眠の質もそうですが、食欲がホンモノではないんで…

化学療法中でも刺身はOKか?

化学療法中の患者さんにとって、「食」は悩みの種です。 味覚が変わってしまう、食べ物の匂いで吐き気が出る、食欲不振になるという話以外に、刺身などの生ものを控えなければならない、というお話を、化学療法を経験されてきた患者さんからよく伺っていまし…

マンモグラフィの意義、大いに揺らぐ〜カナダの9万人追跡調査の詳報〜

乳がん検診のスタンダードとなっているマンモグラフィの意義が揺らぐ、ちょっと衝撃的なデータが出てきました。 論文誌BMJに掲載された “Twenty five year follow-up for breast cancer incidence and mortality of the Canadian National Breast Screening …

花粉症に”口に含む”新薬登場、ではあるけれど…

日本で2000万人程度の患者がいると言われている花粉症。 これからの季節が憂鬱という方は多いことでしょう。私もそうです。 そんな「花粉症持ち」にとって気になるニュースがこれ。 「口に含むタイプの花粉症治療薬、厚労省が初承認」(読売新聞) http://ww…

要るの?要らないの?インフルエンザ治療薬

少し以前の話ですが、塩野義製薬のインフルエンザ治療のTV-CMが、医療関係者からかなり批判を受けていました。 まず、CMの内容はこち シオノギ製薬TVCM ちゃんと知ろう!インフルエンザ治療のこと - YouTube このCMに対する典型的な批判は、下記です。 「不…

うがい薬を保険適用から外すとむしろ薬剤費は増える

うがい薬:保険適用外に…国費61億円削減効果 - 毎日新聞 という2週間ほど前のニュース。 マスコミ各社が一斉に報じたこのニュースを見て、私の頭の中は、「???」とクエスチョン・マークが飛び交いました。 というのも、保険適用外になるのが、「同時に…

珠玉のビデオ”IF ONLY FOR A SECOND”に心打たれる

大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。 実は昨年末から無料の医療メルマガ「イシュラン」の配信を開始しました。 今までブログに書き綴ってきていたような内容を、毎週お届けしています。 ブログだといつの間にか更新されていて見逃す、とい…

ナッツこそホンモノの健康食品なのだ

「ナッツは真の健康食品」であることを示す、とっても面白いデータが発表されました。 論文誌「New England Journal of Medicine」に発表された、 “Association of Nut Consumption with Total and Cause-Specific Mortality (ナッツの消費と、総死亡率及び…

打つの?打たないの? インフルエンザ予防接種

寒さが増してきて、「年の瀬」を感じる時期になってきました。 それと共に、私の周りにも風邪ひきさんがだいぶ増えてきましたが、皆さま大丈夫でしょうか。 冬はインフルエンザが気になる季節でもあります。「寝込んではいられない」といくら思っても、一旦…

1年延命のコストが1500万円?~新薬カドサイラの薬価問題が暗示する未来~

カドサイラという新しい乳がんの治療薬があります。(このブログでは、基本的に一般名で表記しているのですが、カドサイラは「トラスツズマブ エムタンシン」とややこしいので、カドサイラとします) この薬は、HER2遺伝子変異が陽性のタイプの乳がんで使わ…

HPV検査が子宮頸がん検診の「肝」になる

子宮頸がんは、検診を受けることで罹患リスクや死亡リスクが下がることが証明されているがんです。下記のグラフ(「がん情報サービス」資料より抜粋)を見れば、一目瞭然ですね。子宮頸がんワクチンが普及することでもがんの発症を抑える効果はあると考えら…

遺伝子変異の時代の”深化”を見た癌治療学会

先週は、京都で癌治療学会に参加してきました。生憎の雨続きだったのですが、学会期間中というのは朝から暗い部屋の中で講演を聴く時間が多いので、外の天気はあまり気にならないものです。夜にぷらぷら外歩きをするのには、雨が止んでいて欲しくはあるので…

スプライトは二日酔いの特効薬!?

お酒好きの方であれば一度ならず、飲んだ翌日に「あ~、やっちまったぁ」という二日酔いの経験を持たれていることでしょう。そんな時、どうされていますか?まぁ、日本では昔から「しじみ汁」が良いなんて話もありますが、なかなか「これ」といった決め手は…

ファストフードチェーン店のチキンナゲットの中身、知ってますか?

だいぶご無沙汰してしまいました。 ちょっと、ブログのトーンを変えながらやっていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。 「チキンナゲットにどの程度ホンモノの肉が入っているかって?思ったほどじゃないよ」 カナダのCTVnewsのネタです。 Americ…

こんなのあり?医療用医薬品のオンライン薬局!?

インド当局がロシュ社と乳がん治療薬ハーセプチンの追加特許を認めるか否かでもめている、というニュースが伝わってきた。 India Blames Roche for Patent Problems (The Wall Street Journal) インドは以前から、国として先発医薬品の特許を認めない方針を…

浜松でキラリと光った、乳癌学会学術総会

先週は、浜松で開催された第21回乳癌学会学術総会に参加したのだが、浜松グルメもさることながら、久しぶりに「企画力」を感じる学術総会だったのが印象に残った。何が具体的に良かったのかというと、 ・メインプログラムが3つの会場に集約されて見どころが…

もしも近藤誠センセイから「がんの放置治療」をすすめられたら

先日購入したPRESIDENT(2013.6.17号)は、添付の表紙写真にあるように、がん特集。非常に読み応えあって良い特集だったと思うが、一番下の「近藤誠 『もしも医者から、末期がんと言われたら』」が、また「あちゃ~」という内容だった。 近藤誠センセイは、…

アンジェリーナ・ジョリーの乳房予防切除の”ファッション化”を危惧する

先週海外から届いたビッグ・ニュースと言えば、ベッカムの引退と、アンジーことアンジェリーナ・ジョリーの「予防的乳房切除⇒乳房再建」の告白だろう。 彼女の手記原文が「My Medical Choice」としてThe New York Timesに載っているので、興味のある方はご覧…

2013年優駿牝馬(オークス)のイチ推しはリラコサージュ

G1前の土曜日なので、久しぶりに競馬予想。 オークスのイチ推しの馬は、リラコサージュ。 理由は、、、 ・今年は桜花賞のレースのレベルが低い。 勝ち時計1.35.0は同日の3歳未勝利戦の勝ち時計とわずか0.3差。その他桜花賞のトライアルレースのチューリップ…

出でよ、腫瘍内科医~泌尿器科系がんでの2つの不思議~

先週、札幌で開催されていた泌尿器科学会に行ってきた。 毎年、この学会では高校の同級生の泌尿器科医2人と盃を交わす機会があるのだが、今年も佳いお酒が飲めた。泌尿器科学会はいつも4日間と妙に長丁場なのだが、こうした時間を取れるという意味ではありが…

「薬のネット販売、国の敗訴確定」⇒本当の仕事はこれからだ!

皆さま、明けましておめでとうございます。 年明け早々、良いニュース。 “薬ネット販売、国の敗訴確定=規制省令「違法で無効」―全面解禁に・最高裁” http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130111-00000085-jij-soci この裁判について、昨年5月に引っ越し前…

オンコロジー・マーケッターが考えるべき“戦略的調査”

(本エントリーは、9月に筆者がOncology Japan 2012のメルマガ向けに寄稿したものと同じ内容で、製薬マーケッター向けの内容です) >> <プロマネが犯しがちな2つの過ち> 医療用医薬品において、製品のマーケティング戦略の立案が“プロマネ”の仕事の「一…

抗がん剤分子標的薬の薬価は“変動制”にすべきだ

MessageLeafのブログ更新を定期的にやるようになって、こちらのエントリーがえらくご無沙汰してしまったが、ぼちぼちと復活させていきたい。 先日、eyeforpharma社が主催する「Oncology Japan 2012」というイベントに出席した。今年で3回目となるこのイベン…

理解に苦しむ医療過誤での提訴~山口県の事例~

お盆に、「ちょっとさすがに勘弁してほしいな、こういうのは」というニュースを目にした。 毎日新聞の↓の記事のことだ。 >> 医療過誤:「モルヒネ投与で死亡」 70代遺族が損賠提訴--地裁周南支部 /山口 周南市の総合病院社会保険徳山中央病院(林田重…

蕎麦で祖母を偲ぶ

お盆ですね。 この写真は、昨晩お邪魔した目白のお蕎麦屋さん「吉祥庵」でのもの。母方の祖母に最後にご馳走して差し上げられた、思い出の蕎麦屋さんです。改めて食べに来て、その確かな蕎麦の味と、江戸の地酒「丸真正宗」に舌鼓を打ちました。 お盆を迎え…

がん医療政策の議論にもエビデンスを~臨床腫瘍学会の患者参画プログラムを聴講して~

<臨床腫瘍学会での患者参画プログラム> 大阪で開催中の日本臨床腫瘍学会学術集会に参加している。 初日の今日の目玉の一つ、公開シンポジウム「がん患者の必要としているがん医療~地域でがん患者を支えるためには~」の途中まで聴講してきた。 まずもって…

電力会社社員の発言禁止に見る「失敗の本質」

将来的な原発の比率をどうするかというエネルギー政策の意見聴取会において、電力会社の社員が発言したことが問題とされ、今後の聴取会では電力会社社員は締め出されることになった。 以下、7月19日付のFNNの記事(http://www.fnn-news.com/news/headlines/a…

TOBYO・三宅さんとの面会

患者ブログのポータルサイト「TOBYO」(http://www.tobyo.jp/)と2010年の年末にパートナーとしての提携解消をした話は、このブログを旧版の「メディカル・インサイトの社長日記」からずっとフォローされている、特にHealth2.0関連の方々はご記憶のことだろ…

赤ちゃんとワンコとニャンコ

学生時代からの友人で、「自分の娘は生まれた時から犬と一緒に育てている。ご飯も一緒にドッグフードを食べる。寝るのも一緒。おしっこも一緒。だからうちの娘はオシッコするときは四つん這いで片足上げてする。」というのがいて、さすがにそりゃ行き過ぎだ…

緩和医療学会、変革中(2)

今日は、神戸で開催された緩和医療学会で感銘を受けた点、 ・ついに患者(サバイバー)との本当のコラボレーションが始まった ・ついにがん治療医が主体的に緩和ケアを語り始めた の後者について。 この流れを強く感じたのが、「がんと診断された時からの緩…