雑感

Studygiftへの否定的言説に見る日本の病巣

久しぶりに日本人ってなんだかいやだな〜、と思わざるを得ないものを見た。 <「Studygift」をめぐる賛否>学費支援プラットフォーム「Studygift」(http://studygift.net/home.php)に対する反応のことだ。いわゆる、「クラウド・ファンディング」の取組の…

恩師S先生引退に寄せる惜別の辞

春が来た。桜の開花のニュースを聞くと、何か淡い甘酸っぱい不思議な気持ちになるのは日本人の性なのであろう。東大の9月入学が話題になっているが、何でも海外と同じにすれば良いというものではなく、佳き文化はきちんと継続するというのがグル―バルスタン…

本ブログの更新頻度について

本ブログを見に来て頂いている読者の皆様へ いつもご愛読ありがとうございます。 気が付けば、このブログにも毎日100名以上の方に訪問して頂けるようになりました。医療の話を中心に、自らが面白いと思った事をなるべく解り易く伝えたい、そして発信する事こ…

原発問題に見る”なし崩し的追認”の思想

昨晩、めずらしく夜にニュースステーションをちら見したのだが、その中で「国民の6割は原発を増やすまたは維持するという意見で、成熟した議論が出来るようになってきている」というコメントが解説者から飛び出したのを耳にして、思いっきり「は〜、何言って…

この夏、「分都」しようではないか〜東北関東大震災3週間後に想う〜

東北関東大震災の発生から3週間が過ぎた。 不思議なもので、「非常時」はどうも腰を落ち着けてブログを書くという気分になれない。今回の震災後も時間そのものはあったはずなのだが、情報の収集・発信がブログよりTwitter、Facebook、メール、TV中心になって…

“宥恕の心”に欠けた大相撲の春場所中止

大相撲の春場所開催中止が決定した。最悪である。 前回エントリーを出した時点でその可能性はあるけど、と思っていた事が現実となってしまった。 今回の開催中止、2つの意味で”最悪”だと思う。 <八百長も含んでの大相撲文化> 1つは、前回エントリーでも…

大相撲の八百長は断じて”トップニュース”ではない

僕は物心ついた時からの相撲ファンだ。小さい頃は、横綱・輪島関が大好きで、輪島が負けると涙が止まらず夕飯が喉を通らなかった記憶がある。(高見山とか麒麟児に弱かったんだよね・・・)その後は、琴風、千代の富士、武双山と贔屓の力士は変わったが、現…

おちゃらけ社会派ブロガー「ちきりん」さんの『ゆるく考えよう』

愛読ブログ「Chikirinの日記」のちきりんさんが『ゆるく考えよう』という本を出版した。六本木アカデミーヒルズのライブラリーでも金曜日にお目見えしていたのだが、無料でブログ記事を楽しませて頂いている手前、この上タダ読みするのは忍びなく、近くの書…

「”年金不安”ではなく”所得不安”である」〜竹中平蔵氏のランチョンセミナー講演より〜

柔和な表情と対照的な切れ味鋭い語り口。小泉政権の屋台骨を支えた竹中平蔵氏は、テレビでたまに見ることはあっても実物は見た事が無かった。その竹中さんの講演(ランチョンセミナー)を聴く機会が昨日あったが、期待に違わぬ内容だった。 竹中さんの主張は…

起業家精神とイノベーション〜ティナ・シーリグ教授の講演〜

スタンフォード大学アントレプレナー・センターのティナ・シーリグ教授が来日講演ということで、先週水曜日に聴講してきた。 シーリグ教授は、「What I wish I knew when I was 20 (20歳のときに知っておきたかったこと)」の著者で、起業家精神(アントレ…

どう使う?ツイッターとフェースブック

今やメールと同じく見ていなかったものがあるとかなり気になるツイッター。使い始めたのは今年の初めだが、こんなにどっぷりと使うツールになるとは当初は思っていなかった。 そして、最近日本でも話題がかなり上がるようになってきたフェースブック。こちら…

バラは菊に似合わない〜菊花賞

「閑話休題」、でたまには競馬の話をしよう。 (競馬の話はちんぷんかんぷんな方は読み飛ばしてください) 明日は3歳牡馬三冠レースの最後、菊花賞。 今年は皐月賞馬ヴィクトワールピサが凱旋門賞への遠征、そしてダービー馬エイシンフラッシュが直前の故障…

民主党代表選、本日開票

「小沢vs菅」の民主党代表選、今日が開票日である。 今回の代表選、ハタから見ると接戦で面白そうということはあるのだが、それは別として思う事が2つある。 <”選挙”にエネルギーを使い果たしてどうする> 1つは、何でこの時期にこんなに長い時間かけて選…

日本の会社の採用担当はアホなのか?~茂木健一郎の連ツイに思う~

茂木健一郎さんが怒っている。 珠玉の連ツイを毎日書きつづっている茂木さんだが、このところ、就活がらみで既存の企業と新卒一括採用制度をTwitter上で弾劾している。 茂木さんの本件についての考えは、ブログ「クオリア日記」の「連続ツイート 判断」とい…

円高Welcome

円高である。 報道は、民主党政権の無策ぶりに焦点を当て、悲観的なものが目立つ。 でも、そこまで悲観的になる理由がわからない。むしろ、これは喜ぶべき事態に見える。個人的に円資産があったら、もっと泣いて喜んでいただろう。 喜ぶべき理由は3つある。…

内田樹教授にモノ申す

内田樹という大学教授がいる。 この先生が書いているブログ「内田樹の研究室」、かなり人気のようなのだが、先日のエントリー「日本の人事システムについて」には怒りの念を禁じえなかった。 http://blog.tatsuru.com/2010/08/04_1026.php 脳科学者の茂木さ…

「卑下」の国ニッポンで最も将来有望な職種

妻の実家の旅行の留守居役を務めていた週末、久方ぶりに日曜朝にTVをつけると、「サンデーモーニング」(”喝!”の番組)がやっていた。しかし、この番組、「高齢化」が進む日本の現状をそっくりそのまま映したような番組だ。久しぶりに見た大沢親分は一回り…

参院選版「敗軍の将、兵を語る」

日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」。 普段は見るのを敢えて避けることの多い記事なのだが、7月19日号は日本創新党の代表幹事、前横浜市長の中田宏氏の言が出ているという事で、気になって目を通した。タイトルだけ見て、民主党の話と期待した方、ゴメン…

サッカーW杯日本代表〜侍の蒼の時代〜

「その手があったか」 デンマーク戦の本田と遠藤の2本のFK直接弾を見て、ガッツポーズと共にそう思わずにはいられなかった。そう、日本の得点の得意パターンはFK。だが、今回のW杯でそれまで直接弾を決めていた選手が殆どおらず、ジャブラニでは直接FKはま…

サッカーW杯日本代表〜オランダ戦から見えた光と課題〜

負けてなお残る充実感、というのはなかなか無いものだ。一昨日のサッカーW杯でのオランダ戦は、負け惜しみでも何でもなく、日本が超一流国とも90分間きちんと戦えるチームである事を確認できた意味で、感慨深いものがあった。もちろん、まだ「次がある」とい…

ニュースのお作法~「経済的理由で治療中止、約4割の医療機関で」???~

「経済的理由で治療中止、約4割の医療機関で」てなタイトルを見て、皆さんどのような記事を想像するだろうか。 ↓の医療介護CBニュースがネタ元なのだが、この記事、短い割にあまりにも突っ込みどころが満載で、呆れてしまった。 http://headlines.yahoo.co.…

サッカーW杯日本代表〜守りのスタミナ・マネジメントの先にあるもの〜

「掌返し」とはこういうことを言うのであろう。 岡田JAPANのW杯初勝利に対するマスコミのはしゃぎよう。まあ、どこの国でも散々叩かれても「勝って官軍」がサッカーの代表チームといえばそうなのだが。 残念ながらTLから既に消えてしまっているが、僕は今回…

「最小不幸」の豆鉄砲

堺屋太一健在なり。 昨日の日経新聞の論考を見て、そう思わずにはいられなかった。 昨今の政権がコロコロ変わる様が戦前のそれと極似しているという指摘、非常に的を得ていたと思う。実は自分自身も同じようなことを感じ、1週間ほど前に明治時代からの首相の…

祝!伊達公子全仏オープンでサフィナに勝利!!

かれこれ20年以上も前、テニス少年だった筆者が有明けの森コロシアムで目にしたのは、当時世界の女王だったグラフ。そして日本の若手のホープ伊達公子も見ることができた。 当時はまだまだ世界レベルでなかった伊達がその後成長してTop10プレーヤーとなり、1…

ハッピーマンデーと有給休暇取得率

GWは止むを得ない事情で、大嫌いな高速道路の大渋滞(関越の下りと中央道の上り)に突っ込むこととなった。 皆が同じようなタイミングで休むことになるので致し方ないが、もうちょっと分散しても良いのではと感じる。(とはいえ、地域別に祝日をずらすという…

"電脳空間"のOnとOff

春の陽気をあまり感じられずに冬掛けの布団が手放せないでいた4月がまるで嘘のように、GWは一気に"初夏"モードになった。 この間、ブロードバンド回線も携帯電波も届かない辺鄙な場所に滞在することが長かったため、このブログもTwetterも休止。さすがにメー…

運転免許更新に思う時の流れ

先日、運転免許更新の通知葉書がやってきた。 ということは、前回の更新時から5年が経ったということだが、随分と長い時間が過ぎたというのが実感だ。その間に引っ越ししたり子供が生まれたり、独立・起業したり、と色んな節目があったからなのだろう。 20代…

コア・メディアの時代

日経新聞を購読しなくなってから2週間ほど経つ。Web刊が創刊されたということで、いつも駅売りの朝刊を買っていたのをそちらに乗り換えたのだが、結局見なくなった。時折、勉強カフェに置いてある朝刊を本当にササーっと斜め読みをたまにする程度だ。こんな…

老兵は去れど美し〜シンボリルドルフの一葉〜

もう何年も足を運んでいないが、昔はよく競馬場に通ったものである。WINSで馬券を買うのは好きではなく、必ず"現場"でパドックや返し馬で馬達の生の姿を見てからでないと、馬券は原則買わない主義だった。馬を見る"眼"は、現場で場数を踏まないと養われない…

官僚叩きでは未来を創れない(2)

今朝の日経にタイムリーな記事が出ていた。 題して、「『定年まで公務員』骨抜き 〜天下り禁止でも『肩たたき』継続〜」。天下りのあっせん禁止で50歳代の人材を内に抱えざるを得ないが、人件費の膨張・新卒採用の抑制の恐れがあるので、定年前の退職を勧め…