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”「医療世界一」は国際比較してみたら日本だった”に、ちょっと待った

↓の記事が先週、私の周辺でバズっていました。 headlines.yahoo.co.jp 国際間の医療水準の比較方法は色々あると思いますが、そもそも日本は「世界一の長寿国」なわけですから、そう悪いレベルであるはずはありません。 なので、記事の冒頭に出てくる、 >> …

日本の乳がん治療医”Warm 30”

乳がんの病院・名医ガイド「イシュラン」では、患者さんがサイト上で医師のコミュニケーション・タイプに投票したり、感想を投稿したり、サンキューレターを送ったりという仕組みがあります。 例えばコミュニケーション・タイプの投票数は、サイト開設以後累…

イシュラン編集長が選ぶ2016年のがん医療界5大ニュース

今まで年末恒例でお届けしていた年間のがん医療界「5大ニュース」ですが、今年は年始とさせていただきます。 ちなみに、過去2年間の5大ニュースは↓のような感じ。 <2014年> 第1位:ホンモノの免疫療法の登場 第2位:近藤誠の怪進撃 第3位:C型肝炎の治療が…

WELQだけじゃない、怪しいネット医療情報の見分け方

半年あまりブログの更新が途絶えてしまいました。 年明けから心機一転、また定期的に更新していきますので、お付き合いよろしくお願い致します。 さて、DeNAが運営していた健康医療情報サイト「WELQ」が、閉鎖に追い込まれ、経営陣が謝罪を余儀なくされた件…

愛犬家ご注意!〜キシリトールは犬には猛毒〜

キシリトールと言えば、ガムなどによく使われている人工甘味料。 そんな馴染みの深い成分が、犬にとってはなんと猛毒だということを初めて知りました。 ”Artificial Sweetener Used In Chewing Gums Can Kill Dogs” 「ガムに使われる人工甘味料は犬に猛毒」 …

糖尿病薬メトホルミンが閉経後女性のがん死亡リスクを低下させる!?

世界中で広く処方されている糖尿病薬の一つに、メトホルミンというものがあります。 日本での商品名は「メトグルコ」「メデット」「ネルビス」など、古い薬で特許が切れていますので色々な会社から販売されています。 このメトホルミンが、どうも、閉経後女…

がんから社会復帰したロールモデルを見つけられる「5years」

昔、乳がん患者さんを対象に調査した時に、周囲の人に対する要望として、「普段通りに接してほしい」「原因を一緒に考えてくれなくて良い」といった声が多く上がっていたのが印象的だったのですが、そんな記憶が、↓の記事を読みながらよみがえってきました。…

抗がん剤も「経済性」を問われる時代が、待ったなしでやってきた

4月7日付けの日本経済新聞一面トップニュースは、↓でした。 >>> ===================== 薬価、割高なら下げ 効果と見合うか検証 18年度から 厚労省、まず4種・4機器 ===================== 厚生労働省は20…

【推薦図書】「がんとともに、自分らしく生きる」

虎の門病院の腫瘍内科医である高野利実先生が、初めての著書を出されました。 がんとともに、自分らしく生きる―希望をもって、がんと向き合う「HBM」のすすめ― 作者: 高野利実 出版社/メーカー: きずな出版 発売日: 2016/03/24 メディア: 単行本(ソフトカバ…

再生医療とがん治療〜 iPS細胞を用いた新しいがん治療の可能性〜

通常このブログでは、抗がん剤に関しては臨床試験成績がはっきりした情報しか載せないのですが、本号では先日行なわれた再生医療学会で仕入れた、「非臨床」つまり動物実験レベルでの研究情報をお届けします。 「最先端」は「最良」を意味する訳ではまったく…

エビデンスが必要なのは医療だけじゃない〜大阪の事故とGoogle車〜

あるモノを使うことで、日本だけで年間4000人以上が亡くなられ、70万人の怪我人が出ています。 その「モノ」とは自動車です。 私もちょくちょく出入りする大阪の梅田で、大変痛ましい事故が起きました。 daily-news.jp 原因は、その後の報道にもありますよう…

スタバの「砂糖問題」に思う「汁物」の危険性

スターバックスが、批判に晒されています。 gigazine.net 「Grape Mulled Fruits」というスパイス入りのホットドリンク(たぶん日本では未発売)には、なんと砂糖小さじ25杯分に相当する砂糖が入っているとのこと。 これは、WHOが示す、成人が1日当たりに摂…

全がん協の新データから見える、がん治療10年の進歩

年明けに全国がんセンター協議会(全がん協)から、本邦初のがんの「10年生存率」データが発表され、比較的大きなニュースとなりました。 www.nikkei.com 全がん協の生存率データ自体は以前の記事で取り上げたものなので、ご記憶の読者の方もいらっしゃるか…

知ってますか?「かかりつけ医」の専門医資格

皆さん、身体に何らかの不調が出てきた時、最初にかかる医師を決めていますか? ow.ly (Spotlight) 実際、いろんな病気や怪我で病医院を受診する際、「どの科に行くべきか」迷われることも多いかと思います。 しかし、残念ながら日本の多くの医師はその専…

イシュラン編集長が選ぶ2015年のがん医療界5大ニュース!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第5位:反論続々、近藤誠医師の”怪進撃”に待った! ─────────────────────────────────── 近藤誠医師については、多くの心ある医療人がその言説の誤りや危険性について、厳しい指摘を繰り返してきました。 しかしながら、残…

画期的抗がん治療「CAR-T細胞療法」が1回5000万円超だって???

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 画期的抗がん治療「CAR-T細胞療法」解説します ─────────────────────────────────── 昨年来、当メルマガでは「ホンモノの免疫治療」である免疫チェックポイント阻害剤について、再三取り上げてきました。 本日は、もう…

本物の名医のあり方がわかる本:「医者と患者のコミュニケーション論」

「名医」の条件って何でしょう。 私自身は「腕(手術手技や的確な投薬などの医療技術)の良さ」×「コミュニケーション・スキル」のかけ算で決まると考えています。 イシュランのサイトの中で、専門医資格の情報は前者の「腕の良さ」の指標になります。後者の…

2015-16シーズンはマイコプラズマ肺炎の当たり年?

11月初めにマイコプラズマ肺炎に罹ってしまい、1週間以上東京の拠点に籠りきりの生活をおくっていました。 マイコプラズマ肺炎というのは、肺炎マイコプラズマ菌によって惹き起こされる感染症で、本物の「肺炎」とは原因菌が異なります。 症状としては、 「…

ベーコン・ソーセージは御法度なのか?〜WHOの衝撃的(?)な発表〜

加工肉を食べるとがんの発症リスクが高まるというニュースが、10月26日の晩から27日の朝にかけて、世界を駆け巡り、日本でも大きく取り上げられました。 ■「加工肉摂取に『がんリスク』=毎日50グラムで18%増―WHO」(時事通信) WHOという権威ある機関の発…

がん診断後のアスピリン服用が消化器がん患者の生存期間を延長か

先回のメルマガで、「大腸がんの予防としてアスピリンの長期服薬が米国で推奨」というお話を紹介しましたが、今回もまたアスピリンの話です。 ■”Post diagnosis aspirin improves survival in all gastrointestinal cancers”「がん診断後のアスピリン服用が…

大腸がんの予防としてアスピリンの長期服薬が米国で推奨

これまた古いお薬の話です。 鎮痛・解熱剤として一般に知られているアスピリンですが、血液を固まりにくくする働きもあるため、医療用医薬品としては、血栓や塞栓の治療にも広く用いられます。 そのアスピリンを、米国疾病予防タスクフォースが、米国の主要…

これはあまりの暴挙:1錠13.5ドルの薬が1晩で750ドルに!

抗がん剤が典型的なのですが、最近承認される医療用医薬品の価格はかなり「高騰」している印象があります。 高いと言っても、例えば、↓で書いたような画期的かつ社会的な価値もあるような薬であれば、まだ良いでしょう。 medicalinsight.hatenablog.com しか…

「近藤誠医師と大場大医師の対決」で見逃されている決定的な”事実”

少し前の話になりますが、週刊文春の夏の特大号で、近藤誠医師と大場大医師が「”がん放置療法”は正しいのか?」というお題で「対決」しています。 週刊新潮上での大場医師の「近藤批判」に対して近藤医師が反論。 「『手術をした方が寿命が延びる』、『時間…

酒は百薬の長ではない!?〜少量の飲酒でがんの罹患リスクが上昇〜

深酒は身体に良くないことは当然ですが、適量の飲酒はむしろ良く、「百薬の長」と考えられてきましたし、実際にそれを裏付けるようなデータも色々と出てきています。 しかし、そんな健全な吞ん兵衛さんにバッド・ニュースが入ってきました。 ■”Light to mode…

”1000”の大台突破:イシュラン昨年末からここまでの振り返り

ちょっと久しぶりに、乳がんの病院・名医ガイド「イシュラン」の拡充状況をご報告します。 ・カバー都道府県が12、掲載医師数も1,167人に! 昨年12月初めの時点では愛媛県のみだったのが、現在は、東京・千葉・京都・大阪・兵庫・岡山・広島・香川・徳島・高…

“Shared Decision Making”〜がん治療の選択スタイルが変化する〜

前回のメルマガでASCO(米国臨床腫瘍学会)の話題をお届けしましたが、今年のASCOで「免疫チェックポイント阻害剤」と共に大きなテーマとして取り上げられたのが、「Value」のコンセプトです。 いきなり、「Value」と言われても何のことだかわかりにくいです…

【ASCO特別版】 抗がん剤治療に革命が始まった〜免疫療法時代の幕開け〜

今年のASCO(米国臨床腫瘍学会)は「免疫療法(Immunotherapy)時代の幕開け」を強く感じさせる大会でした。 会の副題が”Illumination & Innovation”(「解明」と「革新」)だったことでも明らかなように、革新的な”ホンモノの免疫療法”についての演題ががん…

ご褒美は先に上げた方が効く〜禁煙に最良の効果をもたらすインセンティブ〜

前号に続き、禁煙関連の話題です。 ちょっと面白い報告がありました。 Bribery Is The Best Way To Quit Smoking, Study Showsow.ly (TIME、元ネタNEJM) CVSケアマークという会社の社員2000名以上を使っての、禁煙の試験です。 被験者を「報奨金を先にもら…

長尾和宏先生、どうしちゃったんですか?:「再発・転移をする人としない人の差」

長尾和宏先生と言えば、がん医療界では「反近藤誠」の論客として有名な方です。 長尾和宏「近藤誠先生、あなたの“犠牲者”が出ています」 【全文公開】 100万部ベストセラー『医者に殺されない47の心得』に現役医師が大反論 | 特集 - 週刊文春WEBshukan.bunsh…

日経ビジネスも信用なりません⇒「なぜ関空に世界のがん患者が集まるか」

日経ビジネスからまたもや”怪しい”記事が出てきました。 ■ なぜ関空に世界のがん患者が集まるかbusiness.nikkeibp.co.jp (日経ビジネスオンライン) この記事、ゲートタワーIGTクリニックなる医院の院長、堀信一医師のインタビューで成り立っています。 が…

不可能を可能にする:脊椎の転移巣を取り除く金沢大の驚きの術式

泌尿器科学会のランチョンセミナーで腎がんの脊椎転移の手術について、金沢大学整形外科学・村上英樹准教授の非常に興味深い話を聴くことができました。 脊椎、つまり背骨への転移は、腎がんだけではなく、乳がんや前立腺がんなど他のがん種でも発症します。…

アンジェリーナ・ジョリーとBRCA遺伝子変異

あのアンジェリーナ・ジョリーが、一昨年の乳房に続き、今年は卵巣と卵管を「予防的切除」したというニュースがかけめぐりました。 ■「アンジェリーナ・ジョリーさん、卵巣も摘出 がん予防で」(朝日新聞デジタル、元ネタニューヨーク・タイムズ) http://ww…

本物の免疫療法と偽物の免疫療法

こともあろうに、天下の日経ビジネスから「いかがなものか」という記事が出てきました。 「第4のがん治療」、モノ作り技術で巻き返すow.ly (日経ビジネスオンライン) 本メルマガで何度か紹介しているPD-1阻害剤の登場に伴い、「免疫療法」を怪し気なものま…

米国で初めて承認された「バイオシミラー」ってなんじゃらほい?

「バイオシミラー」という言葉をご存知でしょうか? 医薬品には低分子化合物と高分子化合物があります。 ・低分子化合物:設計図(化合物の構造)が簡単に書ける物質 ・高分子化合物:化合物の構造が複雑すぎて設計図として表現しきれないような物質。タンパ…

PD-1阻害剤ニボルマブ、進行扁平上皮肺がんで”爆速”承認

本メルマガの過去記事で、PD-1阻害剤ニボルマブが肺がんで有望なデータが出てきた旨を取り上げました。 ■「PD-1阻害剤ニボルマブの肺がんでの新データ」(イシュランメルマガVol.41) 上記のデータを基に、米国FDAが”爆速”で承認したというニュースです。 ■”…

米国でホルモン陽性進行乳がんに新薬Palbociclib登場、は良いのだけれど...

先日、Facebookのタイムラインで↓の記事が流れてきました。 ■「米FDA 乳がん治療薬Ibranceを承認」(ミクスOnline) この薬剤、成分名をPalbociclibといい、CDK4/6阻害剤という新しい種類の抗がん剤(分子標的薬)です。「ホルモン療法による治療歴のない閉…

「非」推薦図書:「がんが自然に治る生き方」

先日、Facebookのタイムラインで↓の記事が流れてきました。 医師も認めた「がんが自然に治る9つの習慣」 ケリー・ターナー博士に聞く【1】:PRESIDENT Online - プレジデント 医師も認めた「がんが自然に治る9つの習慣」 ケリー・ターナー博士に聞く【1】:P…

タミフルはインフルエンザ治癒を”1日”早める

今年はインフルエンザの「当たり年」のようで、私の周囲でバタバタと倒れる人が続出しています。 さて、代表的なインフルエンザ治療薬の一つとして、「タミフル」という薬があります。この薬はかつて異常行動や転落死を引き起こしているのではないかと、マス…

「ありがたや〜」薬は高価な方が効く!?〜偽薬でのオモシロ実験〜

医療用医薬品の治験では、「偽薬(プラセボ)」というものが使われることが多々あります。 本物の薬と偽物の薬(偽薬)が用意され、被験者にはどちらかが投与されるのです。 どの被験者にどちらが投薬されるかは、くじ引きのようなもので、まったく誰にもわ…

他人事じゃない:英国NHSががん治療薬の費用補助をバッサリ削除

「NICE」と聞いて英国の国立医療技術評価機構であるとピンとくる方は、相当の医療通です。 日本の厚生労働省にあたる「NHS」という政府機関に属しており、英国では「NICE」が新薬に対して科学的かつ経済的な評価を行ない、通常の医療保険制度を適用するか否…

「身体を冷やすと風邪ひくよ」

「身体を冷やすと風邪ひくよ」というのは昔からよく言い伝えられていることです。 そんな「おばあちゃんの知恵」には実は根拠がありそうだというお話。 ■”Cold virus replicates better at cooler temperatures”「風邪ウィルスは低温で増殖し易い」( YaleNe…

ダイエットはホルモン陰性乳がん患者を救う

乳がんは早期発見が可能ながんですが、ある意味それ故に、再発リスクを長期的にいかに軽減するかというのが課題でもあります。 通常、ホルモン陽性タイプであればホルモン剤で、その他の場合は化学療法で術後の治療を行ない、再発リスクを少しでも軽減しよう…

膀胱がん治療で30年ぶりのブレイクスルー!

1年ほど前に、泌尿器科医の友人2名と飲んでいた席で出た話です。 「腎がんは、最近やたらと新しい薬が出てきて、使いこなすのが大変なくらい。前立腺がんも画期的な新薬がもうすぐ相次いで出てくる。でも、膀胱がんだけはねえ… 膀胱がんって、俺たちが医者…

書籍紹介:「はじめての乳がん」

Facebookのタイムラインで流れていた投稿の中で非常に興味深い書籍を目にし、読んでみました。 ■「はじめての乳がん〜働くあなたが聞きたい本音Q&A83 」(土屋美樹 亜紀書房) 著者の土屋美樹さんは、働く女性を応援するコミュイティサイト「はぴきゃり」を…

PD-1阻害剤の新データ

PD-1阻害剤については、以前も取り上げました。 ■「ホンモノの免疫療法」の登場:PD-1阻害剤<イシュランメルマガVol.30> この中で、私は、 Phase2試験での奏功率は22.9%(完全奏功は2.9%)と、治療効果としてそこまで”劇的”なものではない ということを書…

牛乳の飲み過ぎは女性の命を縮める!?

「牛乳」といったら、「骨を強くする健康的な食品」のイメージが強いですよね。 その牛乳を飲み過ぎると、命を縮めるかもなんていう研究結果が出てきました。 ■”Drinking a lot of milk may be shortening women’s lives” (牛乳の飲み過ぎは女性の命を縮め…

気になる症状があるって?Google先生が診てくれますよ

皆さん、自分の身体で気になる症状が出てきたとき、どうされるでしょうか? まずはググってみる(ネット上で検索してみる)というのが一番ありそうな話ではないかと思います。 でも、ネットで色々と調べているうちに、かなり不安になってくること、あります…

肺がん領域で個別化医療の新たな進展:ROS1遺伝子変異陽性

「個別化医療」はここ数年の抗がん剤領域でのキーワードですが、特に非小細胞肺がんは「個別化」が進んでいる領域です。 ゲフィチニブ(イレッサ)、エルロチンイブ(タルセバ)など、EGFRという遺伝子に変異がある症例のみに効能が認められている薬剤群もあ…

ランニングの功罪〜走るべきか走らざるべきか?〜

ランニング・ブームが始まったのは、2006年頃だったでしょうか。 当時、私が勤務していた神保町のオフィスには、「ジョグソン」という名前の有志のランニングクラブがあって、毎週水曜日の18時に近くの銭湯に集合して、皆で皇居の周りを走ったものです。 ほ…

「ホンモノの免疫療法」の登場:PD-1阻害剤

がんの世界で「免疫療法」というと、今までは残念ながら”怪しげなクリニックが謳う治療法”というイメージが付いて回っていました。 体内に備わる免疫の力を活性化して、がん細胞を叩くという考え方は根本思想は良さそうなのですが、残念ながら巷で出回ってい…